軽自動車の新車価格が200万円を超えることが珍しくなった今でも、「いい歳した男が軽は恥ずかしい」といった声は根強く残っている。そうした偏見を持つ人たちにとって、軽の黄色ナンバーは一種の「烙印」のように映っているのかもしれない。
しかし2017年以降、軽自動車でも白地のナンバーを選択できるようになり、実際に街中でも白ナンバーをつけた軽をしばしば見かけるようになった。
もはや当たり前になった「白ナンバーの軽」だが、いまだに「軽であることを隠そうとしている」など、ネガティブな見方をする人は少なくない。どうやら現実の場面でも、白ナンバーの軽に乗るオーナーに対して陰湿な言動をする人もいるようなのだ。
「軽専用スペースに白ナンバーの軽はNG」不可解な主張のワケ
そもそも軽自動車のナンバーが黄色になったのは、1975年のこと。高速道路の料金所や、警察の取り締まり(2000年まで軽の最高速度は登録車よりも20km/h低い80km/hだった)といった場面で、車両区分を一目で見分けることが主な目的だった。
しかしETCが普及し、また制限速度の面でも差がなくなった現在では、黄色である必然性は薄くなってきているのかもしれない。
そのため制度上は、黄色だろうが白だろうが、他人から口を出される筋合いはないのだが……。黄色と白が混在していることで、ささいな混乱が起きることもあるという。
埼玉県に住む40代男性の黒木さん(仮名)は、通勤用のN-BOXカスタムに白いナンバーを装着している。彼が経験したのは、「軽専用の駐車スペース」をめぐるトラブルだ。
「ショッピングモールの混雑している駐車場で、ちょうど軽専用のスペースに1台分の空きを見つけ、『ラッキー』と思って停めたんです。でも駐車を終えるくらいのタイミングで、外から何かを叫びながら近づいてくる70代くらいの女性がいました。