「一生を捧げたい」アイドルグループ「アイドル失格」のメンバーとしてデビューするまでの道のり

――「Innes」をきっかけにアイドルとなって、2024年1月に現在所属する「アイドル失格」のメンバーとしてデビューするまでの歩みは?

かんだち 「Innes」が約1年で解散してしまって、少しの間、ソロアイドルとして活動していました。でも、グループでの活動をしたいとは思っていたし、次の候補を探してはいたんです。

 当時、私のことを目に留めてくださったアイドルサークル「平成墓嵐」のプロデューサーさんが「本命のグループが決まるまで、ウチにいてください」と言ってくださり、サークルのメンバーとしてもステージに立つ楽しさを味わっていました。そのさなかで出会ったのが「アイドル失格」で、パフォーマンスに惹かれて「一生を捧げたい」と思いました。

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アイドルグループ「アイドル失格」のメンバーとしてステージに立っている(写真=かんだちちよかさんのXより引用)

――2024年10月には「アイドル失格」のアメリカ遠征で、がい旋を果たしました。

かんだち 小学校高学年からずっと暮らしていたシアトルの公演で、夢が叶いました。一緒に夢を追うメンバーと現地のステージに立てたし、アメリカに住み続ける親や友だちに見てもらえたのがうれしかったです。

 元々、大学時代には歌ったり踊ったりするちょっと変わったバンド活動もやっていて、現地の友だちには「ダンスが上手になったね」と褒められました。アイドルが本業になったのも驚いてくれて「収入はどうなっているの?」とか、質問攻めに遭いました(笑)。

世間からは「バイリンガルなのにアイドルをやっているのはおかしい」という声も…

――当初は妹さんの猛プッシュもあって飛び込んだアイドルの世界ですが、ここまでに仕事に対する意識の変化もあったんでしょうか?

かんだち 今は、自分の意思でやっている感覚が強いです。「Innes」での活動がスタートした当時は、大好きな音楽の活動と合わせて、帰国子女の日系アメリカ人という個性をどうやってアピールすればいいか分からず、戸惑いもありました。

 経験を重ねるにつれて、だんだんとマイノリティである生き様を世の中に伝えていく使命感が強くなったんです。でも、いまだに「バイリンガルなのにアイドルをやっているのはおかしい」という声も一定数はあります。

 

――「バイリンガルなのに……」といった声への思いは?

かんだち YouTubeの動画で「アメリカ人に見えない」「英語が上手いね」というコメントがたくさんあって「英語が上手い日本人ではなく、日本語の上手いアメリカ人なので」と思っています(笑)。それほど重く受け止めているわけではないんですけど、価値観の壁は感じますね。

 元々、むこうで生きるために英語を頑張りながら、親の希望もあって日本語を習得したのが私なので、今の私だけを見て、評価されてしまうのは正直しんどいです。