日本で生まれながら、生後半年でアメリカへと渡り青春時代を過ごした、かんだちちよかさん。2021年11月、ワシントン大学(University of Washington)大学院時代に日本へ来て、アイドルの道へと進んだ。現在は、アイドルグループ「アイドル失格」のメンバーとして、ステージを中心に表舞台での活動に力をそそぐ。
そんなかんだちさんに、幼少期から青春時代にかけての軌跡、さらに、アメリカで日系アメリカ人の「マイノリティ」として過ごしていた当時の記憶をたどってもらった。(全2回の1回目/2回目に続く)
◆◆◆
生後半年でアメリカに移住、18歳の頃にアメリカ国籍に変更
――かんだちさんはそもそも、どのような家庭で育ったんでしょう。
かんだちちよか(以下、かんだち) 祖父の代から、海外転勤の多い日本人家系でした。大手企業に勤めていた父方の祖父も、父も海外赴任のある転勤族で、父も帰国子女だったんです。
母は専業主婦でずっと日本に住んでいたんですけど、私が生まれて半年ほど経ったときに父のアメリカ赴任が決まり、家族そろってアメリカに行きました。妹もいて、秋には名門のUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)への進学が決まっているので、姉の私より優秀です(笑)。
――お姉さんも負けていないと思います(笑)。国籍はアメリカと日本、どちらなんですか?
かんだち 元々は日本国籍でしたけど、18歳の頃にアメリカ国籍に変更しました。当時はずっとむこうで暮らすと思っていたし、大統領選挙に投票したくなったんです。
こっちへ来たときに、戸籍をたどって日本国籍へ戻す選択肢もあったんですけど、申請の手間がかかるし、そのままにしました。
「周囲になじむために頑張っていました」高校までに7回も転校
――生後半年から大学院時代まではアメリカで暮らして、2021年11月に日本への“移住”を決めたそうですね。物心ついてからの記憶はほぼ、アメリカなんですか?
かんだち そうですね。親と旅行で日本へ行った記憶はあるんですけど、幼い頃に住んでいた記憶はないです。
――お父さんが転勤族だったため、アメリカでは各地を転々としていたとも明かしています。
かんだち 生後半年でアメリカへ渡ってから、幼稚園の年中へ上がる頃まではサンディエゴに住んでいました。年中から年長まではオースティンで過ごして、小学校入学直前にサンフランシスコに引っ越したんです。その後、小学6年生からはシアトルで暮らしていました。

