「帰国子女への解像度が低いなと思う」世間からの偏見や同調圧力に思うこと
――バイリンガルなら「こうするべき」という同調圧力もありそうです。
かんだち アメリカでは、日系アメリカ人も多いので選択肢がたくさんあるんです。でも、日本では海外から戻ってきた時点で「なんで、英語を活かせる仕事をしていないの?」という目で見る人もいて。帰国子女への解像度が低いなと思うし、私の生きざまを通して、異文化を理解してほしいとも感じています。
――もちろん、グループでの活動も続ける覚悟で?
かんだち 最後のアイドル活動として「アイドル失格」で頑張っていきたいです。今は「アイドル失格」でアメリカでのライブを定期的に開催して、海外フェスにも参加できるようになる夢を描いていて、日本と行ったり来たりできるのが理想です。
でも、いずれは、アメリカに戻りたい気持ちもあります。やっぱり現地の空気を吸いたくなるんです。今後もし、グループがなくなってしまうようなことがあれば、そのときは日本に残るか、アメリカに戻るかを決めようと思っています。
これからも2国の価値観に挟まれながら活動していくことになる
――日本とアメリカの間でアイデンティティが揺れ動くかんだちさんの人生では、どこか「反骨心」が原動力にあったのかとも思いました。
かんだち あると思います。物心付く頃から日系アメリカ人だと自覚しつつ、周囲と比べて「普通ではない」とすりこまれてきたし、日本では帰国子女のイメージで見られて、どこに行ってもニュートラルな存在にはなれなかったんです。
自分と似たアイデンティティを持った大人が周りにいなくて、同世代の子たちと比べるしかできなかったし、戸惑いを抱えたまま大人になってしまった気もします。
これからも日本とアメリカの間にいるというアイデンティティに縛られて、2国の価値観に挟まれながら活動していくことになると思います。
撮影=三宅史郎/文藝春秋
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

