自衛隊幹部いわく…
実際、複数の自衛隊幹部によれば、北は北海道から南は九州各地の自衛隊施設で同じように複数のドローンによる夜間侵入が相次いでいるという。北海道では5機編隊でライトを点滅させながら飛来してきたという証言も得ている。
しかもこれらは、いずも事案以後にとみに増加しているというから、やはり日本側の探知及び対処能力を確認しに来ている公算は大きい。しかし残念なことにそれらの多くは目視による発見ばかりで、ほとんど逮捕できておらずやりたい放題にされているのだという。巨額の予算を投じて購入した探知及び対処機材の多くは売り文句とは裏腹に役に立たない有様なのだとか。
つまり自衛隊側の無能力ぶりを確認したので、今度は原発はどうなっているのかを探りに来たのではないか。もしかすると無灯火かつ高空で原発上空を既に飛来していたものの、日本側の反応がないので、より低空かつ点灯してやってきたのかもしれない。
ヒントとなる世界中での対策
こうした推測を補強するのは世界中の軍事施設で相次ぐドローン侵入事案における中国の影である。例えば2024年1月5日に中国人留学生が引き起こしたドローンによるスパイ事件。
ミネソタ大学の大学院に留学中の中国人学生シー・フェンユーが、バージニア州ニューポートニューズ造船所の米空母と原子力潜水艦をドローンで昼夜や天候を問わずに撮影した結果、最終的にドローンを木に引っ掛けたことで発覚・逮捕された――ただし同造船所が探知していたことをにおわせる報道もある――のである。
留学人生を暗転させる可能性があったにもかかわらず、彼はレンタカーを借りて2000km近くも遠征しており、悪天候下でもドローンを飛ばした。個人的な悪戯だったとは思えない。

