2024年11月22日早朝にはドイツのハンブルクに寄港中の英空母クィーン・エリザベスの付近を飛行する1.5メートル×1.5メートルのドローンを水上警察が目撃している。
ドイツ軍はHP47ハンドヘルドジャマーを装備したカウンタードローンチームを投入したが、チームに標的にされる直前に逃げ去り、ドローンは中国系企業が共有するトレロートコンテナターミナル周辺で消息を絶った。このことから背景には中国がいるとの情報筋の指摘が報じられている。
ほかにもこの数年でアメリカ・イギリス・ドイツ・韓国などでは数えきれないドローン侵入事案が起きているが、その多くで中国や一部ではロシアの存在がささやかれているが、多くの事案で動画は公開されず、有事に向けた演習と能力テストの可能性が高い。
いずも事案後もやられたい放題の自衛隊施設上空、そして首都東京
このように世界中での事案に照らし合わせると、中国等の日本を脅威とみなす国家による組織的な演習と能力テストを兼ねたものである可能性が高い。ここで問題となるのはアメリカ・イギリス・ドイツ・韓国などは、逮捕者も出しているし、それが難しかったとしても肉眼ではなく機材による探知には成功していることである。日本の場合はほとんど逮捕できず、そもそも探知できていない。
護衛艦いずも事案もそうであったし、自衛隊OBの中には護衛艦いずも事案を偽情報の可能性があるなどと現実を見ない向きもある。実際、ここ半年でも装備庁幹部から筆者に真顔で「あれはフェイクじゃなかったの?」と尋ねられもした。
より深刻なのは米国の実名を名乗る映像作家が2024年5月に東京タワー上空、2025年6月にはスカイツリー上空にドローンを飛行させた一件。おそらくは違法電波で飛行させていたにもかかわらず、本人から映像が公開されるまで探知できず、悠々と再度の入国と犯行を許していることだ。
昨年8月20日には国会議事堂の近くでドローンらしきものが目撃された。警視庁のヘリコプターが目視で探したが、真偽不明のまま終わってしまった。もしもまともなドローン探知機材があれば真偽をはっきりできたはずだ。
以上の事案が国内外に与えるメッセージは「日本は首都中枢や国会や自衛隊施設や原発であろうとドローンが飛行できない場所はなく、それらに対して探知も迎撃もほとんど不可能。どうぞお好きなところで飛ばしてください」でしかない。
