「私立中学に入ればここから離れられる」と受験を強く決意
――先生は前川さんに対する外見イジリを止めてはくれなかったんですか?
前川 今思うと担任の先生も頼れる存在ではなかった気がします。オランダでは数字の7を書く時に横棒が1本多いんですけど、そのクセが抜けていなかった私を「日本ではこう書くんだから!」と先生がからかってきたり。
つまずいて花壇を少し踏んでしまったときも「オランダではよかったかもしれないけど、日本ではダメだから」という言い方をされたり。
わざと踏んでるわけじゃないので、わざわざ「日本では違うから」なんて言わなくていいのに、その先生の振る舞いがクラスメイトに「前川はイジっていいんだ」と思わせていた部分もあると思います。
そういう先生だったので、私が「デブスパッツ」と呼ばれてるのは知っていたはずですけど、注意したりは全然してくれませんでした。
――中学から私立に進学したのはその小学校の環境も理由だったのですか?
前川 そうですね。帰国子女枠で中学受験することはもともと考えていたんですけど、あだ名や先生のこともあって「2年耐えて私立中学に入ればここから離れられる」と強く思うようになりましたね。
――進学した中高一貫の女子校はどうでしたか。
前川 中高6年間は楽しくて、容姿に関して何か言われた記憶も全然ないですね。本当に友達にも恵まれました。ただ自分の中で「デブスパッツ」の呪いは残っていて、ミニスカやスキニージーンズは履けませんでした。
とはいえ友達と「痩せたい」と言いながら買い食いして帰るような生活で、コンプレックスはあっても追い詰められている感じまではありませんでした。なんか、本当に人生で一番平和な6年間でしたね(笑)。
それが大学に進学して、小学校の時とは違う形で外見で評価される世界に足を踏み入れたんです。
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