「一重は負け組」高校時代に言われた衝撃的な言葉

――高校生になってから、容姿について悩むようになったそうですね。

サボン 高校に入ってから「かすり傷」とか「起きとる?」とか、さらに目のことを言われるようになったんですよね。「一重は負け組」と言われたこともあります。

 私自身は、今も昔も自分の目を嫌だと思ったことはないんですよ。むしろ気に入っています。でも高校生の頃は、周りの意見に流されて「一重のままだと、かわいくないのかも」「私は自分の顔が好きなのに、周りはそうじゃないのかも」と悩んでしまって。

ADVERTISEMENT

「あの子は一重のことを気にしている」「コンプレックスだと思ってる」と周りに思われることにコンプレックスを抱くようにもなったんです。

――「一重は負け組」は衝撃的な言葉ですよね。

サボン そうなんですけど、周りの子は私を傷つけるために言ったわけじゃなくて。私と同じような一重の子が、「私たちの目ってかすり傷みたいだよね」とか、「一重の私たちって負け組じゃん」と自虐的に言っただけなんです。

 だから、言われてイラッとはしませんでした。「一重ってそんなにおかしいかな?」とは思いましたけど。

 でも、中学時代の同級生と久しぶりに会ったときに「サボンってまだ一重だったん?」って言われたときは、さすがにイラッとしました(笑)。

「一重は負け組」と言われて違和感を抱いたという(写真=本人提供)

「ごぼう」「ガリクソン」と呼ばれ…痩せやすい体型にも悩んでいた

――まるで二重にしてないのが悪いような言い方をされた。

サボン そうです。その同級生は男の子なのですが、昔からくっきりとした二重で。そんな子に「まだ一重だったん?」と言われたから、「どういう意味? 一重を二重にしないといけない決まりでもあるん?」と思いましたね。

――自分では気にしていないことを周りから指摘されると、戸惑いますよね。

サボン 一重のこと以外でも、同じようなことがあって。私、もともと体質的に痩せやすくて、ちゃんと食べているのにガリガリだったんです。外で遊ぶのが好きで日焼けもしていたから、「ごぼう」「ガリクソン」みたいなあだ名をつけられてました。

 高校に入ってからはたくさんご飯を食べて筋トレもしたんですけど、あんまり体重が増えなくて。痩せていることが悩みだと言うと、「贅沢だ」「嫌味だ」と捉えられてしまうこともあったんですよね。

 だから、自分ではどうすることもできない容姿や体型について周りにいじられるのは、正直いい気持ちはしませんでした。