「フラれることも通過点に過ぎないというか…」

――どうしても年齢差が気になったんですね。

みどり そのころには、イサムの気持ちが本当だってこともわかっていたし、私も惹かれていましたけど、やっぱり同い年くらいの子と結婚をしてほしいというか。私はもう子どもを産めないじゃないですか。だったら、「同じぐらいの人と結婚をして、子どもを作って、子育てして」っていう、そんな結婚をしてほしいなって。

イサム それも言われたんですけど、僕はあんまり響かなかったんですよね。子どもを産めるような同い年ぐらいの人とお付き合いして結婚するという概念が僕にはなかったので。もちろん「真摯に受け止めました。分かりました」と言いましたけど。

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イサム氏(33)とみどり氏(54) (本人提供)

――そこであきらめなかったから、いまこうして夫婦になっているわけですよね。

イサム 僕のなかでは、みどりと出会った瞬間から結婚というものが見えていて。だから、フラれることも通過点に過ぎないというか。自信なのかなんなのか、それはちょっと自分でもよくわからないんですけど、それが僕としては当たり前のことだったんですよね。

 なので、フラれたことも受け止めて、「あ、そうか。じゃあ、次はいつ告白しようかな」みたいな。

力業で論破してくるイサムさん

――みどりさんとしてはイサムさんと結婚するビジョンは、だんだんと浮かんできましたか。

みどり これが不思議なんですけど、私も50何年生きてきているじゃないですか。だから、こう言ったらこうしてくれるだろうと、言い方とかもふくめて把握しているつもりだったんです。

 だけど、イサムに関しては私の常識が一切通じない。すべて論破されちゃうというか、力業で突き破ってくるというか、不思議な感覚です。「え、なんでなんで? 告白を断ったのに?」って。

 イサムワールドに引き込まれちゃうんですよね。いままでの経験とか、そういうものがまったく太刀打ちできないみたいな。すごく不思議な気持ちです。

――最初の告白でフラれても、その後すぐにデートを?

イサム 行ったと思います。

みどり デートというか、「考え直してくれ」みたいな感じで言われて。でも、私は同じようにお断りして。そうしたら、イサムが大泣きして土下座して。

イサム したときもありましたね(笑)。

みどり 場所が海沿いの公園で、まわりに人もいたので「やめて、やめて。マジでやめて」って。

 断ったけど、イサムのことが嫌いなわけじゃないんですよ。むしろ大好きなんです。大好きなんですけど、イサムにはもっといい人がいると思ったし、「やっぱりこんな年上とはイヤだから若い子に行く」って言われちゃうかもしれない不安もあって。

 だから、「付き合いたいけどやっぱりダメ」って、自分のなかでストップをかけている感じでした。