「ここまで愛してくれる人って、この先いないんだろうな」と
――みどりさんも、気持ちがグラングラン揺れまくっていた。
みどり 土下座されたとき、目の前が海だったから、断ったらそのまま飛び込んじゃいそうな感じもして。マズいなと思って、「とりあえず1週間時間を空けて、お互いもう一度考えてみよう。で、1週間後に答えを出そうね」って提案したんです。
だけど、2日後ぐらいに電話をかけてきて、「考えたけど、やっぱりみどりじゃなきゃ無理だから」って言ってきて。「ここまで本当に私のことを愛してくれる人って、この先いないんだろうな」と思ったんですよね。「この子だったら信用してもいいんじゃないか」って。
――イサムさんの熱意に心が動かされたと。
みどり 「親御さんのことを考えたら、お孫ちゃんの顔を見せてあげたほうがいいんじゃないの?」とか、そんなこともずっと言ってきてたんです。それでも「そうじゃないんだ。みどりが好きだから、それはいいんだ」と言ってくれて、ここまで断っても諦めない人はもう出てこないなと。
「じゃあお付き合いしましょう」って、2度目の告白から1週間もたたないうちにオッケーを出しました。
――付き合うか悩んでいた時期、娘さんに意見を求めることはあったんですか。
みどり これも私がイサムとの交際を決心できた理由のひとつなんですけど、娘から「イサムはお金があるかないかはわからないけど、こんなに愛してくれる人っていないんじゃない?」って。「私がネックになってるんだったら、そこは気にしないで、ママの気持ちで決めて」と言ってくれて、その言葉には背中を押されましたね。
イサムさんのご両親も「ほんとに好きだったらいいじゃんか」って
――同棲していたとのことですが、交際が始まってどのくらいで?
みどり すぐに住み始めました。私とイサムがそれぞれ住んでいた家って目と鼻の先なんですよ。駅をまたいでるけど、直線だったら100メートルあるかないかぐらい。
イサム 僕は実家住まいで。
みどり そのくらい近かったので、家に帰るのもうちに来るのも同じみたいな感じで、そこから自然と私の家での同棲が始まりました。
――同棲するにあたって、イサムさんのご両親にお話はしたんですか。
イサム とくに同棲のことは言わなかったですけど、交際オッケーをもらってから彼女として実家に招いて親に紹介しました。
前もって「同級生のお母さんで、年齢は51歳なんだ」と話していて。そのときは「エーッ。21歳上なの?」ってビックリしてましたけど、そんなに根掘り葉掘り聞かれることもなく、いろいろ話しているうちに「そっかそっか。ほんとに好きだったらいいじゃんか」って。
「結婚とかも考えてるのか?」って親父に聞かれて、「もちろん考えてるよ」って答えましたけど、それに関してなにか言われることもなかったです。



