「“映画”をつくりたいですね。アニメも含めて、いろいろな作品をつくってみたいんですが、表現としては“映画”に惹かれます。映画を見て育ってきた自分にとって、“ルーツ”のようなものだから。やっぱり映画が好きだなぁ、と今でも思うんです。長編映画をさらに撮っていきたいですね」(Domani 2021年4月11日)

©文藝春秋

 作りたいのは実写の長編映画。暗い内容だが、エンターテイメントになっているものにしたという。彼が好きな作品として挙げているものと近いテイストになるだろう。10年ぐらい書いたり消したりしているプロットがあるというが、2025年中には絶対に脚本まで持っていきたいと意気込んでいる(TBS CROSS DIG with Bloomberg 2025年2月13日)。

人生に敗者復活戦はある

 メディアでクローズアップされることが増えた津田が、テレビ番組などで繰り返し口にしている言葉がある。それはこういうものだ。

「諦めなければ、人生は敗者復活戦が割とある」

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 20代は舞台で辛酸を舐めたが、30代に声優として花開いた。50代で20代の頃にかなわなかった実写作品の俳優として活躍するようになった。そして今また長編映画を撮るという10代の頃の夢をかなえようとしている。津田の人生は敗者復活戦の連続かもしれない。

NHK『あんぱん』Xより

 奇しくも、『あんぱん』の嵩のモデル・やなせたかしもマルチな活動を展開していたが、国民的な大ヒット作となった『アンパンマン』の元になった絵本を発表したのは、今の津田と同じ54歳のときだった。声優、俳優として活躍を続けながら、津田がとんでもない作品を発表するかもしれない。そんな期待をしてしまう。

最初から記事を読む 「50代になってようやく…」「今まさに俺のターンですね(笑)」津田健次郎54歳が朝ドラ『あんぱん』で絶賛されるまで

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