国内組100%VS海外組100%だった準決勝
逆に「海外組」比率が低い国も存在する。その筆頭格がイングランドで、「海外組」比率は驚きの0%。全員がイングランドのプレミアリーグでプレーしている。イングランドの代表選手は伝統的に国内でプレーする傾向が強く、“銀河系軍団”レアル・マドリードの一員だったデビッド・ベッカムのような選手はむしろ例外的存在だ。
同様にドイツやスペインのように自国リーグのレベルが高い場合にも、「海外組」比率は低くなる。今大会はヨーロッパ予選で敗退してしまったが、イタリア代表も「海外組」は少ない傾向にある。
したがって、「海外組」比率自体は、W杯でのパフォーマンスとは必ずしも関係ない。グループリーグの勝ち点との相関係数を求めると「-0.03」で、「ほとんど相関がない」ことを示している。事実、準決勝のうちの1試合、イングランド対クロアチア戦は、国内組100%対海外組100%という極めて対照的なチームによる対戦だった。
イングランドとスペインは「4大リーグ」比率100%
では、欧州サッカーの中でもレベルが高いとされる4大リーグ(スペイン、イングランド、ドイツ、イタリアの1部リーグ)のクラブに在籍している比率を分析してみるとどうだろうか。
ちなみに、日本代表は57.58%で14位。以前から日本人選手が多く活躍していたドイツのブンデスリーガに加えて、乾貴士や柴崎岳のようにスペインのリーガ・エスパニョーラでプレーする選手も出てきた。
特筆すべきはイングランドとスペインの100%。前述の通り全員がプレミアリーグでプレーするイングランドに加えて、スペインはレアル・マドリードとバルセロナというビッグクラブを中心にメンバーを揃えた。
グループリーグ3試合のスタメンに占める4大リーグ所属選手の割合が50%を切った15チームのうち、決勝トーナメントに駒を進めたのはメキシコ(45.45%)、スウェーデン(33.33%)、ロシア(6.06%)のわずか3チーム。0%だったイラン、チュニジア、パナマはいずれもグループリーグで敗退した。
「4大リーグ」比率とW杯グループリーグの勝ち点との相関係数を求めると「0.46」だった。正の相関が認められる。