1ページ目から読む
4/4ページ目

ダブル優勝の期待がかかるモドリッチ

 準決勝に進出した4チームに目を転じると、いずれもCL出場選手がチームの核となっていた。

 決勝に進出したフランス(90.91%)は、MVP候補のキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)、「守備範囲は地球全体」とも言われるエンゴロ・カンテ(チェルシー)ら、何人ものスターを擁している。3試合もの延長戦を勝ち抜いたクロアチア(42.42%)は、中盤でルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)とイバン・ラキティッチ(バルセロナ)が豊富な運動量でゲームを支配した。モドリッチは、CL優勝に続くトロフィーをかけてW杯決勝戦に臨む。

世界に衝撃を与えたエムバペ ©JMPA

 タレントが豊富だったベルギー(78.79%)は、日本戦でも縦横無尽の働きをしたエデン・アザール(チェルシー)、ケビン・デ・ブルイネ(マンチェスター・シティ)、ロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)。そして、若い世代の活躍が目立ったイングランド(78.79%)では、得点王争いトップに立つハリー・ケイン(トッテナム)、デレ・アリ(トッテナム)、ラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)ら――。

ADVERTISEMENT

日本はベルギーのタレント軍団に屈した ©JMPA

真剣勝負の場で「個の力」を磨く

「相関係数」とは因果関係を示すものではない。したがって、「CLに出場することによって、W杯でも好成績を収めることができる」という保証はない。

 また、「強い選手だからCLに出られる」のか、「CLに出るから強い選手になる」のか、「タマゴと鶏」に近い議論もある。おそらく、いずれも真理だろう。だからこそ、まずはその最高峰の土俵に乗ることが何よりも大事になる。

今シーズンのバロンドール候補とも言われるモドリッチ ©JMPA

 世界が注目するW杯決勝トーナメントの後半で2-0というリードを得ながら、もっとも近づいたベスト8がポロリと手からこぼれ落ちてしまった。――その日本代表に決定的に欠けていたのは、真剣勝負の場で「個の力」を磨くという経験ではなかっただろうか。ベルギーサッカー協会が積極的に海外リーグの強豪に若手を「輸出」した結果、ついには世界ランク1位まで登りつめたという実例もある。

 日本人選手は移籍の際にリーグの「格」を重んじる傾向があったように思える。個々の選手がキャリアアップを図ることは当然として、場合によってはCL出場を狙える中堅リーグの上位クラブにも目を向けるべきなのかもしれない。悲願であるW杯ベスト8進出、さらには頂点に向けた戦いのためには、経験を積むことで「個の力」を底上げすることが不可欠だ。

©JMPA