サッカー日本代表を語る際に使用される「海外組」というワードがある。

 かつて1998年に日本がワールドカップ(フランス大会)に初出場した際、メンバーはすべて国内のJリーグでプレーする選手で構成されていた。その後、W杯でのプレーが認められた中田英寿はイタリア・セリエAのペルージャに移籍。以降、多くの日本人フットボーラーが海を渡っている。

 近年では、海外リーグでプレーする代表選手が一般的になったため、「海外組」という言葉も以前ほどは使われなくなった。W杯ロシア大会のレギュラー陣では、「国内組」はDFの昌子源(鹿島アントラーズ)のみだった。

ADVERTISEMENT

“ワールドクラス”のアザールとマッチアップする昌子(背番号3)。W杯終了後、欧州移籍報道も ©JMPA

グループステージ48試合のスタメンを分析すると

 では、他の参加国はどうだったのか。W杯ロシア大会に出場した全32カ国のグループステージ48試合に先発出場したスタメン選手を分析した。

「海外組」比率だけではなく、所属クラブの「4大リーグ」比率、所属クラブの「チャンピオンズリーグ(CL)出場」比率も合わせて集計したのが以下の表である。なお、所属クラブやリーグは、すべて2017/18シーズンで集計している。

©文藝春秋

 表を眺めると、いくつかの興味深い傾向が見てとれる。

「海外組」比率では、ペルー、クロアチア、ナイジェリア、スイス、スウェーデン、パナマ、セネガルの7カ国が100%だった。出場32カ国中、過半数の17チームは「海外組」比率が90%を超えている。これらの国々では、プレー環境や資金力といった面で、代表選手が国内リーグではなく海外を選択しているようだ。

©文藝春秋