本大会に出場したクラブには最低17億円が分配されるCL
さらに分析を進めると、より強い相関関係が表れる数値もあった。それが、スタメンに占めるCL出場(グループステージ以上)クラブ所属選手の割合だ。W杯グループリーグ勝ち点との相関係数は「0.57」。
CLは、欧州各国リーグで上位に入ったクラブチームが出場する「世界最高峰」の選手権だ。グループステージには、予選プレーオフを勝ち抜いた10チームと、直接本戦出場権を獲得した22チームの計32チームが出場する。クラブには最低17億円が分配され、ビッグイヤー(優勝トロフィー)を手にしたチームは最高の名誉と巨額の賞金を得ることができる。
日本代表では、今シーズンのCLに出場したのは香川真司(ドルトムント)ただ一人だった。CL出場比率は6.06%。出場32チーム中、下から5チーム目という水準だった。当然、決勝トーナメント進出国の中では群を抜いて低い数字だ。
過去には強豪マンチェスター・ユナイテッド相手に衝撃的フリーキックを決めた中村俊輔(当時セルティック)、決勝トーナメントのセビージャ戦でMOMに輝いた本田圭佑(当時CSKAモスクワ)、ベスト4に進出した内田篤人(当時シャルケ)らが話題を呼んだが、残念ながらコンスタントに複数の日本人プレーヤーがCLを盛り上げる状況にはなっていない。
唯一の「例外」だったドイツ
W杯ロシア大会のグループリーグのスタメンに占めるCL出場の割合を見ると、上位13位までに決勝トーナメント進出国がズラリと並ぶ。唯一の「例外」がドイツで、強豪バイエルン・ミュンヘンを中心としてCL常連クラブのレギュラー選手が名を連ねていた。ドイツは4大リーグ比率も93.94%と高く、数字の面でも、グループリーグ敗退は歴史的番狂わせであったことを物語っている。
もう一つの特殊例が開催国のロシアだ。海外組比率はわずか6.06%で代表チームの大半を国内リーグ選手が占めていたが、CSKAモスクワとスパルタク・モスクワというCL出場チームの所属選手が多く、CLでの真剣勝負の経験が大舞台での躍進につながったのかもしれない。