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西日本豪雨 対応が”後手後手”に回った政権幹部の発言まとめ

2018/07/14
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石井啓一 国土交通相
「私はギャンブルの所管ではございません。
IRの所管でございます」

参院内閣委員会 7月10日

©時事通信社

 今回の災害にもっとも密接に関わるはずの石井啓一国土交通相は、実施法案の担当として10日の参院内閣委員会に約6時間出席した。立憲民主党の白眞勲氏に「ギャンブルと人命とどちらが大切ですか?」と問われた石井氏は、上記のように回答してみせた。答えになっていない。「ご飯論法」である。

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 国民民主党の矢田稚子氏は「一刻を争う状況でカジノ法案の審議をしていていいのか」と質したが、石井氏は「審議のあり方は国会で決めていただく」と語るにとどめた。立憲民主党の辻元清美国対委員長は党会合で「国交省が中心とならないと、道を開けるなどができない。人命第一と言いながらカジノ第一だ」と批判している(毎日新聞 7月10日)。

 これに先立つ9日、立憲民主党の枝野幸男代表は、政府が全力で災害対応に取り組めるよう国会での審議を中断する「政治休戦」を自民党の菅義偉官房長官に申し入れたが、菅氏は「国会のことは国会で決めてほしい」と退けた(日本経済新聞 7月9日)。

 カジノ法案についての審議は13日にも行われた。自民党の関口昌一参院国対委員長は13日午前、国民民主党の舟山康江参院国対委員長と会談し、カジノ法案について17日に安倍晋三首相が出席する質疑を行いたいと提案したが、舟山氏は災害への対応を優先すべきだと拒否。舟山氏は「首相が委員会に来る余裕があるなら、豪雨対策の指揮を執るべきだ」と語った(北海道新聞 7月13日)。

 『週刊文春』7月19日号では、米国の大手カジノ業者が日本参入のために仕事を依頼したロビイストが、麻生太郎財務相、西村康稔官房副長官、萩生田光一自民党幹事長代行らのパーティー券を購入していたことをスクープしている。

 山本氏が言うように、カジノ法案の審議が遅れれば利害関係者が困るのだろう。しかし、その前に政府にはやることが山のようにあるはずだ。

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