援交狩り男たちが出会った「ヤバい女」
事件当日、佐藤と菊池は午後9時に待ち合わせてテレクラへ行き、佐藤はいつものように電話を受けて援助交際を希望する女性と“商談”し、菊池は出会い系サイトで援助交際を希望する女性のメッセージを調べてアクセスしていた。
午後10時、佐藤が援助交際を希望する吉野美保さん(当時34)の電話を取りつけた。
「割り切ったお付き合いを探してるんだけど……」
「いくら欲しいんだい?」
「3万円……」
「いいよ。これからぜひ会おう」
佐藤は美保さんと午後11時に都心のコンビニの駐車場で会う約束を取り付け、その旨を菊池に伝えて、2人で待ち合わせ場所のコンビニに向かった。
いつものように菊池は車から降りて、相手が来るまで近くで待機。すると、聞いていた通りの服装をした美保さんがやって来た。
「美保ちゃんだね。助手席は水で濡れているから、後ろに乗ってくれないか」
こう言って発進させようとしたところで、後部座席に菊池が乗り込んできた。
「キャーッ、誰?」
「静かにしろ!」
菊池は殴って屈服させようとしたが、美保さんは「降ろして!」と窓ガラスをバンバン叩き、激しく抵抗した。
「オレたちはカタギじゃねえ。ヤクザだ! 暴れたらぶっ殺すぞ!」
「私だってバックがいる。知り合いのヤクザを呼ぶわよ!」
「何だって?」
2人は道中で美保さんのバックだというヤクザの素性を詳しく聞き、「ヤバい女だ……」と直感。途中で降ろし、「お互いになかったことにしよう」と言って、その場から離れた。
だが、それで収まらなかったのは美保さんの方だった。さっそく用心棒になっているヤクザに連絡し、今あったことを話した。
「そういう奴はまた同じことをするに決まっている。他人を装って、また同じテレクラに電話をかけて、そいつらを呼び出すんだ」
