今年3月にNHKを退社し、フリーアナウンサーとして活躍中の中川安奈さん(31)。フィンランド、プエルトリコで育ち、英語・スペイン語を習得する中、CNNの女性キャスターに憧れたことがメディアを目指すきっかけとなった。
帰国後は慶應義塾大学でジャーナリズムの勉強をし、「小さな声を届けることがメディアの使命」と思うようになったという。
そんな中川さんに、衣装が「裸に見える」と報道されたことへの思い、NHKを退社した理由、フリーアナウンサーになってからの心境などを聞いた。(全3回の3回目/1回目から読む)
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「NHKの峰不二子」「美人すぎる」と書かれる“こたつ記事”への複雑な思い
――今日の取材にあたり記事を調べたところ、「NHKの峰不二子」という中川さんのキャッチコピーを見つけたんですけど、こういう報道がされていることはご存知でした?
中川安奈さん(以降、中川) ネットニュース界隈ですよね。いつからそういうキャッチコピーがついたのかまったく覚えてないのですが、たぶんきっかけはインスタグラムなんですよ。
――インスタグラムの投稿を元にした“こたつ記事”もたくさん出ていて、大半が「背中ぐっしょり」とか「ボディラインの浮き出る」みたいなタイトルで。
中川 そもそもNHK時代に、もっと若者に番組を知ってもらいたいとSNSをはじめたので、ネットニュースにならないより、あったほうが掴みになっていいかな、とは思っていたんです。
ただ、「美人すぎる◯◯」とか、「かわいすぎてファン大盛りあがり!」といった見出しで紹介されることがあると、どうしても気になって反応を見てしまうことがあって。そうすると、中には「どこが美人やねん」といった厳しい意見を目にすることもあるんです。
持ち上げるコメントがこたつ記事のタイトルになって、それに対して否定的な反応が集まる……そんな流れが見えたときは、正直、「はぁ……」という気持ちになりましたね。
――ルッキズムにさらされてきたかと思いますが、その影響で見た目を変化させたことはありますか。
中川 それこそ、パリ五輪の開会式の中継で着ていた洋服が物議を醸したことがあったんですね。

