社内からは「コーンを混ぜた方がリアルになる」という声もあったが……
安部氏は高等専門学校→国立大、さらに大学院課程の修了まで機械系一筋に歩んできた。その中で「子どもたちが機械を好きになってもらえる種をまいて、応援することを自分の仕事にしたい」と思うようになったという。その考えがよく伝わるのが、リアル感を追求する社内の声に対するエピソードだ。
実は、ウンコスルデイズの企画をブラッシュアップしていく段階で、社内から色味と質感をより本物っぽくする観点から「コーンを入れたらどう?」「ハエを飛ばそう」といった意見も寄せられていた。しかし、安部氏はこうした意見を取り入れず、あくまでプレーンなうんこの、ファンシーな形とデザインを追求した。
「もちろん、商品を買った方がコーンやハエでアレンジするのもアリです。しかし、我々から提供するのは控えたほうがいいかなと(笑)。うんこをリアルにすればするほど、お金を出す親御さんの財布のヒモが固くなるし、応援してくれる人も減ってしまうなと思ったんですよね。
また、ウンコスルデイズでは特に『お膳立て』に留めて、ユーザーがアレンジしたくなる余地を残しておくことを、開発者として常に意識しているんです。きっとその方が創造力を誘発できて、ご自身で作りたくなると思うので」
こうして着実に商品化へと歩みを進めていったウンコスルデイズだが、実はまだいくつもの関門が残っていた。その一つが、商品名を「うんこ」にするか、「うんち」にするかという問題である。
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