「うんこ」か「うんち」か ネーミング議論が半年ほど続いた
プレゼン会議は一度で終わらず、その後何回もウンコスルデイズの提案を繰り返した。その中で「うんこorうんち」というネーミングの問題がやり玉に挙がった。
「上場企業の社員が100人以上集まる会議で、毎月偉い人から『安部くんはずっと“うんこ”と言っているけど、俺は“うんち”だと思うんだよね。結局どっちにすんの? もう決めた?』と言われながら、毎月のように議論しました。内心で、いったい僕たちは何を話しているんだろう……と思いましたが、会議が会議なので笑えもしません。みんな、こんなことで時間を使ってごめん! と思いながら、会議に臨んでいましたね」
確かに新商品、それも子ども市場を狙い、紙粘土を使った新たな企画とあってはネーミングが非常に重要だ。とはいえ、大の大人が「うんこか、うんちか」を毎月議論していたという事実は、傍から聞くと笑ってしまう。しかもこれが、半年ほど続いたという。
「結構、意見が分かれたのも難しいポイントで。例えば経理の方や妻は『うんち』で、営業部のマネジャーからは『俺は絶対、うんこ派だから』と言われました。保育園の先生や子どもが何と言っているかに耳を澄ませたり、企画進行時に開催されていた東京おもちゃショーで300人規模の調査もしたりして、最終的にうんちというのは幼児言葉みたいなかわいいイメージがあって、一人称でいえば『僕』。反対に、うんこは『俺』みたいな感じなのかなという結論に至りました」
その結果、かっこいい系のキャラは「うんこ」、かわいい系のキャラは「うんち」として打ち出すことになった。シリーズ名に関しては、もともとバトル要素を強めた「ウンコロワイヤル」という案だったが、最終的にバトル要素を薄めた現行のウンコスルデイズに落ち着いた。
人気だったのは「サイバー戦士うんこ」
東京おもちゃショーの調査ではネーミング以外に、シリーズでどんなキャラクターを展開すべきかもリサーチした。
「調査で人気だったのが、サイバー戦士うんこです。その他、当初想定していたバトル要素ではなく、キリンやゾウなどの動物系、アイドルも評判が上々でした。年齢や性別に偏りなく、例えば女の子にもうんこを非常に楽しんでもらえることがわかり、この辺りからキャラのバリエーションを豊かにしていく方向へシフトしました」
