「私はもともと、うんこアンチ」
8月に開催された東京おもちゃショーでは、2日間で約1000人が体験会に参加し、常時30分以上の待機列が絶えなかった。さらに7月の発売以降、都内や横浜、博多で開催している小学生以下の子どもと親を対象とする体験会も盛況を博す。
「初動の売り上げを含め、想定以上の反響でした。お子さんだけでなく大人の方からも『子どもへのお土産に買いました』『久しぶりに粘土を触っておもしろかった!』という声を多く頂戴しており、うれしい限りです。もっと多くの方に楽しんでいただくべく、営業とさらなる戦略を練っているところです」
「私自身、もともとうんこに対してどちらかというとアンチでしたし(笑)、もっとカッコいいプラモデルにリソースを割いてほしい、というコアなファンの気持ちも理解できます。子どもの頃、うんこ系のおもちゃを買った経験とかも全くなくて、せっかくお小遣いを使うなら、それよりもかっこいいロボットを買いたい、と思うような子どもでしたから。
でも、ユーザー目線で商品群や売り場を見ていると、プラモデルは徐々に大人向けの市場になりつつあって、このままでは先細っていきかねないという危機感もあって。当社ふくめて業界全体として、先行きを決して楽観視しておらず、子ども向けや新規IPを積極的に立ち上げていく重要性はあるはずです」
「クソ作品」を生み出してほしい
同社が行っているガンプラ関連の調査では、ユーザー数は全体的に伸長しており、どちらかといえば好調の部類だ。それに伴って子どものユーザー数も増加している。
それでも、今後市場を支えていくエントリー層の若年層は、多ければ多いほど良い。昨今はプラスチックの原材料価格も高騰する中、紙粘土も使用したウンコスルデイズは価格も抑えやすい。うんこというコンテンツの魅力も含め、安部氏は新たなユーザーの開拓という点でウンコスルデイズに大きな期待をしている。
「子どもの保育園の送り迎えをしていると、うんこで爆笑しているお子さんって本当によく見かけるんです。同年代の妻も『子どもの頃、うんこグッズを持っていた』と言っていて、うんこは時代や老若男女を問わない、人気のコンテンツなのかなと。
このキラーコンテンツをテーマにするとともに、ウンコスルデイズは作り方もシンプルですし、アレンジも容易です。プラモデルへの入り口としてハードルを下げつつ、醍醐味である自由な遊び方ができる商品として楽しんでもらえたら、開発者としてこれ以上の喜びはありません。たくさんの『クソ作品』を生み出してほしいです。普通、誰かが作ったプラモデルに『これはクソだね』なんて、言えませんから(笑)」
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。
