はあちゅうさん、しみけんさんご結婚おめでとうございます。

 ところで、最近トレンドとなっている人工知能(AI)関連の技術なのですが、最近は大企業もAIとは何かがようやく分かってきて、あんまり荒唐無稽な相談をしてこなくなりました。先日も「うち、サラ金なんですけど、人工知能を導入するにはどこから検討を始めればいいんでしょうか」という周回遅れの相談はありましたが、その一年前は「人工知能でサラ金の収益を二倍にしたいから企画提案してほしい」という頭のおかしい依頼が多かったことに比べれば「ようやく何なのか分かってきたのだな」という感覚を強く持てるようになりました。

コンピュータ様を頂点とする士農工商

「AIを使って与信をする」という点では、実は利用者が思っている以上にAIの普及は進んでいて、おかしな場所で本来は買わなそうな品物を買っていたり、本来の年収を超えて急に毎月の取引額がどーんと増えたりすると「この利用者はおかしいな」と検出される仕組みは昔からあるわけです。ただ、その仕組みはどんどん改良されていく中で、以前ならばより簡素な「ロジスティック回帰」で異常な取引を検出していたものが、数年前から順次AIに置き換わり、最終的には危険地帯や危険そうなブツの特定までできるようになってきました。

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 もちろん、大量の取引の中から問題を起こした取引をピックアップし、その取引の特徴から問題のありそうな取引を事後に割り出す、という予測計算は、もはや人力ではできません。どうしても、でっかいコンピュータ、詳しいマネージャー、改善を担当する数学者、そして日々残業残業徹夜残業徹夜徹夜を厭わないプログラマという、コンピュータ様を頂点とする士農工商のような身分制度が確立しているわけです(最近は「士農工商」は嘘だったという事実を知り愕然としていますが、それは別の話)。