「文字を挿入できず、上書きしてしまう」
「Insert」は、文字入力時に「挿入」か「上書き」かを切り替えるキーです。
例えば「abcde」という文字列があったとして「b」と「c」の間にカーソルを置いて「XX」という2文字を入力した場合、通常だと「abXXcde」という風に挿入されます。一方、Insertがオンだと、新規に入力した文字が後続の2文字に上書きされて「abXXe」となります。文中に出てくる同じ単語を同じ文字数ぶん書き直す際、わざわざDeleteやBackspaceで消さなくて済むので便利です。
もっとも、こうした用途を知らず、そして気付かずオンになってしまうと、挿入するつもりで入力した文字列によって後続の文字列がどんどん消えてしまうトラブルに発展します。この記事を読むまでそのような機能があること自体知らなかったという人は、無理に使い方を覚えるよりも、ないものとして無効化したほうが無難でしょう。
「矢印キーを操作しても、カーソルやセルが移動しない」
矢印キーを押してもカーソルが移動せず、画面全体がスクロールする——そんなときは「Scroll Lock」がオンになっているかもしれません。特にExcelなどの表計算ソフトでは、矢印キーによる上下左右の操作が「セルの移動」ではなく、「表示領域の移動」へと切り替わってしまい、イライラさせられた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
使い方によっては便利なのですが、かなりのExcelマスターでも、活用している人は少ないはず。うっかりオンになってしまったときに混乱するキーの代表格でもあり、オフにしておいて差し支えないでしょう。
「アルファベットを打ちたいのに、数字が入力される」
「Num Lock(NmLk)」は、おもにテンキーの接続時に利用するキーです。Num Lockがオンの場合、テンキーは数字入力として機能し、オフの場合はカーソル移動などとして機能します。
Num Lockで問題なのは、上記の設定と連動してキーボードの一部キーも数字入力キーに置き換わってしまうことです。そのため、正しく文字が入力できなくなったと誤解することもしばしば。外付けのテンキーを使うことがなければ、無効化しておいても差し支えないキーです。
キーボードをよく見ると、もはや存在意義が薄すぎるキーも……
最近のノートPCでは搭載していないケースも増えてきた「Break」と「Pause」も、無効にして差し支えないでしょう。これらはいずれもPC以前の端末が由来で、通信を切断する役割を持ったキーですが、現在は全くといって良いほど使われていません。
ただ[Windows]+[Pause/Break]の同時押しでシステムのプロパティを表示できるなど、ショートカットキーの一部に用いられている場合があるため、これらを普段から使っている人は、そのままにしておくことを推奨します。そもそも、ここまで紹介したようなキーと違ってトラブルに発展する可能性は低いので、そのまま放置しておいても特に問題はありません。
以上、今回はざっと候補となるキーを挙げましたが、今回紹介したPowerToysにおけるキーの再マップ機能は本来、無効化をするための機能ではなく、あるキーに別の役割を持たせたり、キーAとキーBの役割を入れ替えたりするのを主眼にした機能です。今回無効化したキーも、別の役割を持たせることで、より入力効率がアップする可能性があります。慣れてきたらそうした方向での活用にチャレンジしても良いかもしれません。



