この「視線の故郷」という名のコンパスが、あなたに本当の自信と、相手の心を動かす繋がりをもたらしてくれるでしょう。
鎖骨を上げるだけでよく響く声になる
もう1つ大事な所作があります。人は不安なとき、疲れているとき、自信がないときに、必ずと言っていいほど鎖骨が下がり、胸が閉じて首がすぼまっています。
私は信頼される人に見られたかったら「鎖骨を10センチ真上に引き上げるイメージ」で話して下さいと指導しています。
「姿勢がその人の印象を決める」と言われても、多くの人はどこをどう直せばいいのか分からないものです。「猫背を直して背筋を伸ばしましょう」とアドバイスを受けた経験がある人は多いでしょう。
ですが、ここで一つ注意が必要です。この状態でいくら背筋だけを正そうとしても、根本的な改善にはなりません。普段から鎖骨が落ちている人が、無理やり背筋を伸ばそうとすると、背中を反らせることになります。その結果、腰に負担がかかり、長続きせずにまた元の猫背に戻ってしまうのです。
一つ試してほしいことがあります。まず普段通りに鎖骨を落としたまま「あー」と10秒ほど声を出してみてください。次に、鎖骨を今の位置から垂直に10センチほど高い位置に軽く引き上げて胸を開き、同じように声を出してみましょう。後者の方が楽に大きな声が出せるはずです。
喉がリラックスし、響きのある声になります。鎖骨を上げて胸を開くことで、身体が共鳴箱のように機能します。
呼吸が自信を生み、信頼につながる
なぜ鎖骨を上げるだけで変化が生まれるのか。それは、胸が開き肺にスペースができ、深い呼吸ができるからです。さらに、胸を開いて鎖骨を上げることで内臓の圧迫による不快感が軽減され、自然と気分も明るくなります。
身体全体に心地よさが広がるのを実感できるでしょう。声がよく響き、体もリラックス。安心感や自信も生まれやすくなります。
こうした変化は自信だけでなく、相手に与える印象にも影響します。自然と堂々とした雰囲気が伝わり、信頼感が生まれるのです。