最注目の講談師・神田松之丞さんの「テレビっ子インタビュー」。2回目はズキンと来た野島伸司の『高校教師』の思い出から、師弟関係、そして「芸人が政治を語るということ」についてまで、たっぷりと語っていただきました。聞き手はてれびのスキマさん。(全3回の2回目/#1より続く)

 

ラジオの魅力を一番教えてくれたのはナイナイ

―― 『ENGEIグランドスラム』では、司会のナインティナインさんが横でご覧になっていましたけど、松之丞さんは一時期、『ナインティナインのオールナイトニッポン』のリスナーだったんですよね?

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松之丞 聴いてましたね。ああいう一流の表舞台に立っているテレビの芸人さんが裏で本音を言ってる。ハガキ一つとっても力入れて読んでる。僕が聴いていたのは高校時代ですけど、あの頃はまだネットではなくてラジオで本音や裏側を盗み聴いてる感じがよかったんですよね。

 

―― 内輪感のある話。

松之丞 そうです、ファミリー感というか。だから自然とナイナイが好きになる。その後、伊集院(光)さんを聴くと、また伊集院さんとの違いに驚いたりとかあるんですけど。ラジオの魅力を一番教えてくれたのはナイナイと言って過言じゃないですね。

―― テレビでのナインティナインはご覧になったりしたんですか。

松之丞 なんとなく『めちゃイケ』とかは見てました。『めちゃイケ』が面白い時代というのが確実にありましたよね。『ひょうきん族』は僕ら観れてないけども、伝統芸能と一緒である型というか「フジテレビ土曜夜8時」という枠が確固たるものとしてあったでしょう。ウッチャンナンチャンの『やるならやらねば』も土曜8時。日テレのほうでは歌出したり、たまごっちみたいなの(ポケット ビスケッた)売り出したり。買った覚えあるなぁ。

 

情報は全て『東京かわら版』だったころ

―― 結構テレビ番組発で「展開」していましたよね。

松之丞 小学生だったら筆箱とか靴とか、テレビ発のものを買ったり。テレビまみれですよ、考えたら。

―― ネットが出てきたのは中高生あたりでしたか。

松之丞 いや僕は携帯とか持たなかったので、ちゃんと見始めたのは、この世界に入ってからかもしれないですね。ネットが普及し始めの頃はアホほど寄席行ってた頃ですね。だからネットは全て遮断。情報は全て『東京かわら版』から。色んな落語会、寄席に毎日のように通ってました。彼女とか女性たちと一緒に遊んだりしてたら、豊かな感性が磨かれたのかもしれませんけど、まあ気持ち悪いくらいに落語ばっか聴いてました。