ヤバい土地の見分け方
は:舞台はどうして渋谷にしたのですか?
ミ:渋谷に住んでいたことがあったんです。僕は引っ越す時、その引っ越し先の地区の歴史を徹底的に調べるのですが、渋谷は本当に面白くて、ずっと頭のなかにありました。その面白さを本作にたくさん詰め込みました。
は:渋谷が暗渠(地中にある見えない水路)の上にあること、自分たちが川の上を歩いていることなんて知らない人も多い気がしますね。
ミ:はやせさんは、土地について調べるとき、何を意識しますか?
は:土地に当てられた「漢字」ですね。分かりやすく「血」って入ってたり「首」って字が入っていたりすると、「なにかあるな」と思います。あと、東北地方では「さんずい」が付いている土地や、龍神や蛇を祀っている神社がある土地では、水害が起きた過去があったりしますね。その土地よりも内側に逃げれば津波が起きても助かりますよ、なんて言われていたりする。僕が住んでいた岡山県の津山市も「さんずい」が付いているだけあって水害が多いですし。水害で人が亡くなりすぎたから河童を祀っているんです。
ミ:僕が意識するのは「地形」ですね。なんか気になる、怖いなって思う土地って、道の形が綺麗じゃないんですよ。行き止まりが多かったり、やたらとくねくね曲がって複雑だったり、道が狭かったり、高低差も大きいんです。そういう土地って、なんらかの原因があって、道を真っすぐに引けなかったんですよね。暗渠なんてまさにそうで、川があったからそれを避けて道を引くので、斜めになったりする。そうすると三角形の地形がおのずと生まれる……。三角の地形って風水的には昔から良くないと言われているので、住むのは避けています。
は:どこに行っても同じ特徴を持つ場所がありますよね。たとえば川沿いに桜が植えられているところって多いじゃないですか。あれってちゃんと理由があるらしいです。昔は川の氾濫がすごく多くて、人がたくさん亡くなったので、桜を植えることで人がたくさん見に来て、土地を「踏み固めてもらう」ためだそうで。「桜綺麗だな」なんてお花見している人も多いと思いますが、実はそこでは過去に人がたくさん亡くなっているかもしれないですよ。
