旧統一教会の集団入党疑惑「与党と検察の交渉の可能性も」
「国民の力」の元幹部によれば、党内は捜査の拡大を恐れる声が広がり、パニック状態だという。元幹部は「宗教の信者でも特定の意図がなければ、自由に入党できる。旧統一教会の集団入党の事実を知っていた人間は多くない」と語る一方で、こうも語る。
「いくら権性東が尹錫悦の最側近だといっても、一人では何もできない。誰かに相談したり、指示したりしていたはずだ」
特別検察官も権性東氏と政治行動を共にしていた議員を中心に、捜査を続けている模様だ。元幹部は「来年の統一地方選まで、与党はこの問題を徹底的に政治利用するだろう」と語る。
この元幹部によれば、検察も与党に全面的に協力するはずだという。李在明政権は来年9月、検察庁を廃止して新設する「公訴庁」と「重大犯罪捜査庁」に起訴・捜査機能を分割する方針だ。検察内部からは強い懸念と反発の声が上がっている。「国民の力」の元幹部は「検察は来年9月まで、生き残りをかけて与党幹部に接近するだろう。与党が望む捜査と検察が望む権益との間でディールが行われる可能性がある」と指摘する。
「尹錫悦夫妻が苦しむことを『共に民主党』支持者は期待している」
こうしたなか、未来がどんどん暗くなっているのが尹錫悦前大統領と妻、金建希氏だ。金氏は24日に開かれた初公判に出廷した。金氏には旧統一教会との贈収賄疑惑のほか、株価操作への関与や「国民の力」の公認候補選びへの介入など、様々な事件の嫌疑がかけられている。尹氏の職権乱用事件の初公判も26日に開かれる。
別の韓国政界関係筋は「尹錫悦夫妻が苦しむことを『共に民主党』支持者は期待している。李在明氏を様々な政治的な疑惑で苦しめたからだ」と話す。尹氏はかつて検察トップだったが、権力の座から滑り落ちた今、手心を加えてくれる検察関係者は誰もいない。同筋は「少なくとも李在明政権が続く間は特赦の対象にもなりえない。あと4年は一般社会に復帰することは難しいだろう」と語った。
