〈本当は、今日をもって引退を考えていました〉
アンコールの1曲を残して、そう語りだしたのは華原朋美(51)。客席のあちこちから、「エーーッ!」という驚きの悲鳴があがった。
デビュー30周年のスペシャルライブで語った感謝の言葉
9月9日、デビュー30周年を記念して東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開かれたスペシャルライブでの出来事だ。
動揺する観客に向け、華原は語り続ける。
〈でも自分には家族がいて、子どもたちを守っていかなきゃいけない。
子どもたちの笑顔を見ているとすごく可愛くて。私が頑張って生きていかないと、この子たちも元気になれないし、『お母さん強いんだぞ』って言えないし。だから息子と話し合ってもうちょっと“華原朋美”をがんばろうねって。そういう話になりました〉
この日、華原はほぼMCナシで歌い続けた。「I BELIEVE」や「I’m proud」などのミリオンセラーを達成した彼女の代表曲はもちろん、globeのヒットメドレー、さらに賛美歌「アメイジンググレース」など20曲ほども熱唱し、長年のファンらを沸かせた。
〈そして、私はこの30年間、本当にファンの皆さんに心配かけて――。いろんなことがありました。でもすごく思うのは、私を産んでくれたお母さんのこと。お母さんが私のことをダメな時もずっとそばにいてくれて、大丈夫だから大丈夫だからって何回も声をかけてくれました。
本当に繰り返しの人生で、お母さんごめんねって。兄弟たちにもこんなでごめんねってすごく思います。自分がお母さんになってはじめて気がつくこと。自分の子どもを大切に育てていくこと。あたたかい家族を目指して、これからも頑張りたいと思います〉
そう語り続けると、あらためて拍手と声援を浴びた。
