「銀行に下ろしに行かせる。預金残高がない場合はアコム(消費者金融)で借りさせる」

──そこまでやるんだ。どういう男を標的にするの?

「生でやった全員。ゴムつけていたとしても、『他に思い当たる人がいない』『Aさんだけとしかやってない』とか言って。狙いは出会いカフェの客。ほら、出会いカフェは身分証の提示を求められるでしょ。身分証があれば、アコムで簡単に借りられるから。公園の客には詐欺しないよ。ほら、数多の風俗遊びを経験して、出会いカフェで買春を覚えて、最終的に連れ出し料やトーク料がないコスパのよさから公園を選んだやつらだから。『妊娠した』ってイチャモンつけても『あ、俺、カネないから』の一言で済むってわかっちゃってるから」

ADVERTISEMENT

トータルで2000万円

──失敗もある?

「失敗しないようにする。3万でも5万でも絶対に持って帰る。土下座とかも全然したね、カネくれるなら」

──かれこれ、いくら引っ張ったの?

「トータル2000万ぐらい。いま、毎月15万から20万もらってる人もいるよ。それが3年続いてる」

 この行為には、最近流行りの「頂き女子」という言葉が当てはまる。ターゲットにする男性に対して、男性側に恋愛感情があることに乗じ、こちらも恋愛感情があるように振る舞い信頼関係を築いてから「生活に困窮している」などと言葉巧みに嘘をつき、多額のカネを騙し取る。広く知られた言葉に置き換えるのならば、若い女性版のロマンス詐欺だ。

「頂き女子」たちは、同じ詐欺を働く者同士で連携を取る。カモにする男性を紹介し合ったり、詐欺の道具を共有したりする。

 その道具とは、妊娠検査薬を使い陽性反応が出たことを示す画像などだ。一度でも男性と性行為をしたのをいいことに、その画像をもって「妊娠した」と主張。男性からしても身に覚えがあるため無下にはできない。妊娠中絶費用名目で少なくないカネを騙し取るのである。