うまいうまいとつぶやきながら…

 メニューの特徴は、そばうどんが「あえ」「かけ」「ぶっかけ」の3種類そろっていることである。「あえ」は温かいそばうどんに鴨あぶらと返しをあえて油そばのようにしたタイプである。「『あえそばセット(紅い温玉)』が人気なので是非食べてほしい」と矢口店長にすすめられたのでさっそく最新の券売機で注文を入れてみた。

あえそばセット(紅い温玉)が人気

 QRコード決済が可能なので便利である。注文するとプラスチックの番号札が渡されて、出来上がると番号が呼ばれるので取りに行くシステムである。ここだけちょっとレトロなのはご愛敬だ。

 さて登場した「あえそばセット(紅い温玉)」をみてみよう。これがすごくきれいな出来栄えである。

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あえそばセット(紅い温玉)

 返しと出汁で炊いた「出汁ご飯」、パプリカ入りの餌で育った鶏から生まれた玉子を使った「紅い温玉」、そしてお揚げ、鴨肉4枚、ナルト、食べる削り節、ねぎののった「あえそば」がそろう。

「あえそばセット」は鴨肉と鴨あぶらが香る絶品だった

 あえそばの具をかき分けて引っ張り出してそばを鴨肉と一緒に食べてみた。このそばは返しと鴨あぶらでしっとりしていて温かい。すごく上品な味である。鴨肉もしっとりとローストされている。

あえそばと鴨肉を一緒に
しっとりとした鴨肉

 そして一緒にのっている鰹節が贅沢だ。

 大室さんにきいてみると、「和光市にある池田屋さんの生ハムのような食べる削り節」だそうで、出汁もこちらの混合節を使っているという。鴨肉と削り節がこんなに合うのは驚いた。

「紅い温玉」を入れて黄身をくずす

 そしてそこに「紅い温玉」を入れて黄身をくずすときれいな紅い身が広がり益々うまさが集合して濃縮されていくようだ。

「出汁ご飯」も出汁がよく香っており、鴨肉や紅い温玉や削り節をのせていただいたのだがこれもまた楽しい味だ。こんなに完成されたセットにはあまり出会ったことがない。5~6分間、うまいうまいとつぶやきながらぐいぐいと食べ進んでしまった。

「出汁ご飯」も出汁がよく香る

 大室さんは以前、さいたま新都心や池袋で飲食店の経営に携わっていた。矢口店長も精肉加工や調理の仕事をしていたことがあり、2人でアイデアを持ち寄って完成させたのがこの「あえそばセット」だという。