なぜ建築土木系の会社が立ち食いそば屋を始めたのか
実食レポートに続き、なぜ再生砕石工場(リサイクルプラント)などを展開する中堅の建築土木系会社が立ち食いそば屋「TGS622」を始めたのかについても迫っていく。
大室さんに聞いてみると、どこにでもある現在の日本の実情が見えてきた。
キムラ工業株式会社の社員には、トラックの運転手や重機のオペレータとして長年勤めあげてきた方も多い。彼ら優秀な社員を繋ぎとめるべく、再雇用的なビジネスを会社として用意する必要があったのだ。
そこで以前飲食関係の仕事をしていた大室さんが会社に相談したところ、「再雇用や地域の高齢者の雇用、障碍者などの働く場などとして、立ち食いそば屋を始めてみよう」ということになったという。現在も75歳の方が朝、4時間働いているそうだ。
「今後は茨城県牛久市にある親会社の本店や、再生砕石工場(リサイクルプラント)がある千葉県市川市行徳などで2号店、3号店と出していければ、雇用安定につながるのではないか」
大室さんの試行錯誤は続いている。
我々がおいしい「あえそば」を食べて、雇用の循環につながるのなら、それは大変有意義なことである。比較的参入しやすい立ち食いそば屋だからこそ、こうした背景を持つ店舗が増えているのだろう。
2人に挨拶して店を後にした。次回は高島平ビールを飲みながら、「まいたけ天かけそば」か「エノキ天かけそば」を食べようと思う。でも、もう一度「あえそばセット(紅い温玉)」にもなりそうだ。
INFORMATION
TGS622
住所 東京都板橋区高島平6-2-2
営業時間 5:00~20:00
定休日 日曜,祝日
https://www.instagram.com/tgs_622/