「お人形さんみたいで羨ましいな」容姿を褒められても嬉しくなかったワケ

――でも、心のどこかでは疑問も?

エリ そうですね。成長するにつれて、「この顔で日本人ってありえなくない?」という気持ちがどんどん強くなっていきました。

――年齢を重ねるにつれて、容姿へのコンプレックスも強くなっていったそうですね。

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エリ 髪の毛がくるくるして、いろんな方向にはねてしまうのが気になって。中学生の時から大学2年生まで、ずっと縮毛矯正を続けていました。眉毛も結構ボーボーだったので、シャーペンの芯くらい細く剃っていましたね。

 あとは、もともと顔がはっきりしているから、メイクをするとさらに濃くなってしまうんです。それが嫌だったので、中学・高校時代はほとんどメイクをしませんでした。

癖毛がコンプレックスで、学生時代はずっと縮毛矯正をしていたという(写真=エリさんのInstagramより)

――逆に、はっきりした顔立ちを「羨ましい」と言われることはありませんでした?

エリ 「お人形さんみたいで羨ましいな」と言われることはありましたね。でも、私は自分の顔が好きじゃなかったので、全然嬉しくなかったです。むしろ、そう言われるたびに少し傷ついていました。

――なぜ傷ついたのでしょうか。

エリ 褒め言葉でも、どこか一線を引かれているような、差別されているような感じがして嫌だったんです。

 でも高校生になってからは、「私の顔見て、ハーフっぽいよね」「この顔で日本人なんだよ」って自分から言うようになりました。あまりにも「ハーフ」と言われるので、逆に面白くなったというか、自分から話題にしたほうが良いなと思うようになったんです。

出生の秘密を知り「どういうこと?」とパニックに

――ご自身の出生の秘密を知ったのは、20歳の時だそうですね。

エリ 20歳という区切りがいいタイミングで、ずっと疑問に思っていたことを聞いてみようと。母は口が堅いので、母が買い物に行ったあと、父と2人きりの時に「20歳になったし、本当のことを教えてよ。私、日本人じゃないでしょ?」って問い詰めたんです。

 

――お父さんはなんと?

エリ 最初は「日本人にしか見えない」とはぐらかされたんですけど、「もう大人だし、ちゃんと教えてほしい」と食い下がったんです。そしたら「……ハーフだよ」と。

――驚きましたか。

エリ そうだと思っていたけど、いざ言われるとやっぱり衝撃で。「え、じゃあお父さんが違うの?」って思ったんですけど、顔はどちらかというとお父さんに似ているし、じゃあお母さんが違うのかと思っても、母のお腹から生まれてきた時の写真はあるし……。「どういうこと?」ってパニックになりました。