ジムのインストラクターやモデルとして活動する、神奈川県在住のエリさん(28)。彼女は今年、SNSで「私は日本人の両親のもとに生まれました。でも、顔立ちはどこか日本人離れしていて、子どもの頃はそれがコンプレックスでした」と自身の生い立ちを公表し、大きな反響を呼んだ。
エリさんが生まれた時、両親はともに54歳。超高齢出産だっただけでなく、そこには「体外受精」という事実があった。2人はアメリカで卵子提供を受けたのだ。エリさんは20歳になるまで、その事実を知らなかった。
さらに驚くべきことに、エリさんは中学生になるまで母親の実年齢を知らなかったという。なぜ母親は年齢を隠していたのか。体外受精、高齢出産という選択をした両親の想いとは――。(全2回の2回目/1回目から続く)
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「母と父は年の差婚だと思っていた」母は自分の年齢を20歳若く偽っていた
――エリさんは中学生の時に、初めてお母さんの本当の年齢を知ったそうですね。
エリさん(以下、エリ) 母は、自分の年齢を20歳若く偽って私に伝えていたんです。だから私は、母と父は年の差婚なんだ、とずっと思っていました。
――実年齢を知った経緯というのは?
エリ 母の妹である叔母が、暴露しちゃったんですよね。彼女が家に来た時、年齢の話になって。私が「お母さんってまだ40代でしょ?」って聞いたら、叔母が「え、そんなことないよ。私は60代だよ?」って言ったんです。
私がびっくりしながら「お母さんはお姉さんだから、叔母さんより年上ってこと?」と言ったら、叔母は「そうだよ」と。
その後、母がお風呂に入っている時に、こっそり財布から健康保険証を抜き取って生年月日を確認して。父にも聞いたら「僕と同じ年齢だよ」と教えてくれました。
――どうしてお母さんは年齢を偽っていたんでしょう。
エリ 本人から直接聞いたことはないのですが、やっぱり高齢出産というのを気にしていたんだと思います。そもそも母は、出産することも自分の家族に言ってなかったそうなんです。
「誰の子?」「私の子だよ」妊娠したことを家族にも伝えていなかった母
――出産を秘密にしていた?
エリ 妊娠期間中は誰にも何も言わずに、私が産まれてから実家に伝えに行ったらしくて。子どもを連れて現れた母に対して、叔母が「誰の子?」と聞いたら、「私の子だよ」と。きっと、体外受精で50代で出産すると言ったら、周りから反対されると思ったんでしょうね。
――体力的な心配などもありますよね。
エリ 実際、私を産んだあと、母はしばらく入院していたそうなんです。だから私は乳児院に預けられて。その後、母は病気になって、その病気が長引いてしまったので、私は愛児園で過ごしてました。

