──それぐらい撮られるのが嫌だったんですね。でも、今はコスプレイヤーとして、たくさん写真を撮られるようになったんですよね。その変化がすごいです。
十二月田 努力して見た目が変わったから、撮られたいなと思い始めました。今は撮ってもらえたら嬉しいし、楽しいと思えるようになりましたね。
変われたきっかけは「恋人」
──どうやって見た目を変えていったんですか?
十二月田 まずはメイクですよね。高校を卒業して、社会人になってからメンズメイクをするようになりました。
──でも十二月田さんは以前、Xで「社会人になりたてのころは、メイクする人=気持ち悪い、近寄るなぐらいの感じだった」とポストしていましたよね。そこからどう変わったんですか?
十二月田 高校時代からメイクが本当に大嫌いで。うちの高校ってメイク禁止だったんですよ。それでもメイクしてくる人って、一定数いるじゃないですか。そういう学校のルールさえ守れないヤツが社会のルールを守れるのか、という疑問が自分の中にあったんです。
だから高校を卒業して社会人になっても、ずるずるメイク嫌いが続いていたんです。でも、ある時、高校時代から付き合っていた彼女に「あなたがメイク嫌いなのは知っているけど、それでも私はメイクするから」って言われて。当然ですよね、社会人ですから。それで「じゃあ自分も好きになるしかないわ」と思って。そこから彼女にいろいろメイクを教えてもらうようになったんです。苦手なことは知ろうと思って。
──なぜ自分までメイクをしてみようと思ったんでしょうか?「彼女がメイクする分にはいいけど、自分はメイクは嫌い」のままでもいいとは思うんですが……。
十二月田 苦手なものを苦手なままでいるのは、負けた感じがして嫌なんです。それで試しに自分もメイクをしてみたんですけど、それが楽しかったんですよね。「自分も変われるんだ」って。ちょっと涙袋に線を描くだけで、顔ってこんなに変わるんだと思って。
──気持ちに変化があったんですね。
十二月田 そうですね。鏡を見るときに「ちょっとイケてるかも」と思えたりして……。まあ実際はそこまででもないんでしょうけどね(笑)。初めは家の中だけでやっていたんですが、だんだんメイクしたまま外出してみるようになったり。そのあたりからファッションにも気を遣うようになりました。
──今はモデルさんのようなファッションですが、以前はどんなところでお洋服を買っていたんですか?
十二月田 親に買ってもらっていました(笑)。
