パリを目指してフライト中のエールフランス機内。快適なビジネスクラスのシートに体を預けた東洋人の男が、ノートパソコンを開き、画面をスクロールしながら悦に入っていた。機内の通路を行き来する客室乗務員は、視界に入り込んだその画面を見て、思わず目を剥いた。男のパソコンには、あられもない児童ポルノ画像が表示されていたのだ。

「客室乗務員が目撃したのは、10歳くらいの少女の画像だったそうです」(国際部記者) 

 機内という公衆の場で堂々と児童ポルノを閲覧していたのは、日本サッカー協会(以下JFA)の技術委員長を務める影山雅永氏(58)だった。複数の客室乗務員がその様子を目撃し、フランスの警察当局に通報。10月2日、フランスのシャルル・ドゴール空港到着と同時に、影山氏は児童ポルノ画像の輸入・所持の容疑で逮捕されたのである。

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影山雅永氏 ©︎時事通信社

「影山氏は単身、チリで開催中のU-20ワールドカップを視察するため、フランス経由で現地へ向かっている最中でした。本人は『これはAIに生成された画像で、アートなんです』などと恥ずかしそうに釈明したそうです。しかし、フランスでは実写やアニメ、AI生成などを問わず、児童ポルノの製造や所持は厳禁。10月6日、パリ近郊にあるボビニー簡易裁判所で、影山氏の即決審理が開かれました」(同前)

 影山氏にくだされたのは、懲役18カ月(執行猶予3年)、罰金5000ユーロ(約88万円)の有罪判決に加え、フランス領土への入国禁止10年、未成年者関連業務禁止10年、性犯罪者名簿への登録という極めて厳しい処分。

「好奇心から見てしまった」

「影山氏は『好奇心から見てしまった』『フランスで禁止されているとは知らなかった』と児童ポルノ閲覧の事実を認めましたが、フランスの捜査当局が影山氏の視聴履歴を調べると、2022年6月から9月と2025年8月から10月にかけ、1621件の児童ポルノ画像が確認されたそうです。出来心とはいえず、常習性が疑われる。膨大なコレクションの中には、AI生成画像のみならず、実在する人物の画像も含まれていたといいます」(同前)

 当初、影山氏の“失踪”に慌てたのがJFAだ。10月3日、経由地のパリからチリ行きの飛行機に搭乗していないことが判明。本人とも連絡が取れず、その2日後に拘束されている事実を確認したという。影山氏は有罪判決を受けた日に釈放されたが、JFAから即時、技術委員長の解任と契約解除を告げられた。

 技術委員会といえば、代表チームの強化ならびに編成、代表監督の評価や次期候補者の推挙のほか、各世代の育成と普及に関わるJFAの中で最も重要な役職。そのトップに立ち、日本のサッカー界を縁の下から支えてきた影山氏とは、どんな人物なのか。

 この続きは「週刊文春電子版」で配信中。JFA関係者が語った影山氏の“スパルタ体質”や、選手が「ロクに眠られなかった」という影山氏考案の“地獄キャンプ”の内容など、“一発退場”となった影山氏の素性に迫った記事を公開している。

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