フォークで鼻を刺されても、首を絞められても「恋愛はこりごり」と思わなかった理由
――実績ロックの解除?
かりんこ ゲームで実績を解除していくように、現実世界でも経験値を積んでいけば、私も人としてレベルアップできるというか。不登校の時期があって、他の人よりも経験値が少ない自覚があるからこそ、他の人よりもいろんな経験を積むことで自分に付加価値をつけて、「みんなと同じように、私にも価値がある」と思いたかったんです。
だから、鼻をフォークで刺された時も、首を絞められた時も、心のどこかで「これでまた実績を1つ解除できた」と思っていました。
――つまり、恋人を作ることも、自分の「実績」や「付加価値」になると思っていた?
かりんこ はい。誰かに好きと言われるたびに、「また1つ、経験を積めた」「自分に付加価値がついた」と思っていたんです。
でも何度もお話ししているように、恋人に恋愛感情を持っていたわけではなくて。「友達の中で一番優先順位が高い相手」くらいの感覚でしかなかったんですよね。
だから、過去の恋人たちに「俺のこと好きじゃないでしょ?」って不安にさせてしまっていたのも、今思えば当然だなって。相手にとっては、本当に失礼な話ですよね。
「すごく居心地がよかった」今のパートナーと過去の恋人たちとの“決定的な違い”
――かりんこさんは結婚してお子さんもいますが、今のパートナーのことは、そうは思わなかったんですよね。何が違ったのでしょうか。
かりんこ 実は、最初は彼のことも疑っていたんですよ。「すごく良い人だけど、付き合ったらこの人も変わっちゃうのかな」って。彼から「付き合ってほしい」と言われた時に、正直にその不安を打ち明けてみたんです。そしたら、まずはお試しで付き合ってみよう、となって。
――お試し期間中、彼の態度は変わったのでしょうか?
かりんこ それが、良い意味で全然変わらなかったんです。私の考え方や時間の使い方を尊重しつつ、彼自身の時間も大事にする。そういう振る舞いが、すごく居心地がよかったんですよね。
――「自分のために時間を使ってほしい」という、過去の恋人たちとは違ったのですね。
かりんこ はい。「俺がこれだけ好きなんだから、同じだけの好きを返してほしい」という感じじゃなくて。ただ素直に、「好き」って気持ちを伝えてくれるんです。
