元恋人にフォークで鼻を刺されて警察沙汰になった実話を漫画化し、SNSで大反響を呼んだ漫画家の前田シェリーかりんこさん。今年8月には、過去の恋愛経験を赤裸々に綴った2作目のコミックエッセイ『お気楽ポジティブ女の私がメンヘラ製造機になった話』を上梓した。
かりんこさんは、過去に交際してきた恋人たちから、モラハラやDVの被害に遭ってきた。それでも恋人を作り続けたのは、幼少期に家庭の不和や引きこもりを経験したからだという。幼少期の経験が、彼女の恋愛観にどのような影響を与えたのか。恋愛で失敗し続けた彼女が、今のパートナーと結婚を決めた理由とは――。(全2回の2回目/1回目から続く)
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両親の不仲は「私のせいだ」と自分を責めていた学生時代
――危険な目に遭っても恋人を作り続けたのは、「誰かに求められることで、生きてていいんだって思いたかったから」だとおっしゃっていました。なぜ、そう思うようになったのでしょうか。
前田シェリーかりんこさん(以下、かりんこ) それは、私の家庭環境や、学生時代の「引きこもり」の経験が大きく関わっていると思っています。
――ご家庭で、どんなことがあったのでしょう。
かりんこ うちの家族は、もともとはすごく仲が良かったんですよ。でも、私の進路について、両親の意見があわずにもめてしまって。私が中学に上がる頃には、家庭内別居状態でした。2人の間のコミュニケーションは、私が伝書鳩役になるか、置き手紙でのやり取りだけ。
今思うと、両親の仲が悪くなったのは、私の進路だけが原因ではないと思っています。でも当時は、「私のせいだ」と自分を責めてしまって。
「2人は愛し合って一緒になったんじゃないの?」恋愛感情が分からなくなったワケ
――もともと、仲が良い家族だったからこそ、辛いですよね。
かりんこ そうですね。両親が不仲になったことで「2人は愛し合って一緒になったんじゃないの?」「本当に幸せな家族なんて存在しないのかもしれない」と思うようになったんです。
――「長らく恋愛感情がよく分からなかった」と言ってましたが、それは「人を好きになってもいつかは終わってしまう」と思っていたから?
かりんこ そうかもしれません。あとは、同年代が恋愛し始めるときに、私は不登校だったんですよ。それで、単純に経験値が低かったのもあると思います。

