「夫に対してもそうですよ」
一連のトラブル対応で注目されたのが、タイタンのコンプライアンス研修への取り組みだ。太田氏は「私がやってることは、言うなれば学校の生活指導なんです」と表現した。「私は芸を教えていく立場にはない。芸人でもないから」として、自身の役割を明確に位置づけた。
爆笑問題・太田光氏も例外ではない。「夫に対してもそうですよ」と苦笑しながら語る太田氏の姿からは、芸人の環境整備に徹する姿勢が見て取れる。
コンプライアンス研修の実施について、太田氏は「芸能界自体があんまりそういうことをやってこなかったでしょ? 一般企業からすごく遅れを取ってしまった」と分析。芸能界全体の課題として捉えながらも、「ダメなことはダメなので。最低限のことはわかっていないといけない」と基本的なルールの徹底を強調した。
また、「女遊びは芸のこやし」という従来からある価値観について、太田氏はきっぱりと否定した。「なんだよ、と思いますよね。恋愛が何かのこやしになる可能性はあると思いますよ。だけど、そもそも“女遊び”って言っちゃってる時点で違う」と指摘。「むしろ邪魔になる」と断じた。
どのような芸人が生き残る?
では、どのような芸人がこれから生き残るのか。太田氏は「最低限ここはわかるよね? という常識について、芸人という仕事を選んでる人たちは抜けてしまっていたりする」と現状を分析した上で、まずは「犯罪は絶対犯さないということ」。
そして「ダメなことはダメだと理解した上で、そこを自分の形で崩していく。私はこういう人なんです! と打ち出して成功できる人がどのぐらい出てくるか。それは結構な力の要ることだと思う」と展望を語った。
太田氏はある日、明石家さんま氏から「お前んとこは大変な方向の事務所だから」「芸人真面目すぎ、苦しい」と言われたエピソードを紹介しつつも、この姿勢を貫く。厳しい時代だからこそ必要な「生活指導」——それがタイタンの選んだ道だ。

