「このままでいくと芸人という仕事が成立しなくなる」

 タイタン代表取締役社長の太田光代氏が、お笑い業界の現状への危機感を語った。動画メディア「文藝春秋PLUS」の番組内で著書『社長問題! 私のお笑い繁盛記』(文藝春秋)について述べる太田氏の発言から、変化する時代への対応力が芸人の生き残りを左右するという切実な認識が浮かび上がった。(全2回の1回目/続きを読む

(初出:「文藝春秋PLUS」2025年10月8日配信)

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【タイタン・太田光代が語る「これからの芸人のあり方」】予言されていたウエストランド・河本のトラブル|事務所でのコンプラ研修は「生活指導」の一環|時代とともに変化するタイタンライブ【石戸諭】

「6カ月やってりゃ1回ぐらい起きる」という予言

 太田氏が『社長問題!』の元となる「お笑い社長繁盛記」を月刊「文藝春秋」に連載していた2024年、芸能界には激動が起きた。「6カ月連載やってりゃ1回ぐらい(問題が)起きますよって言ってた、案の定だったでしょ?」と自らの予言を振り返る通り、2024年4月にはウエストランド・河本太氏のタクシー運転手とのトラブルが発生。さらにオンラインカジノ問題、コンプライアンス強化の波が業界全体を揺るがした。

左から太田光代氏、石戸諭氏

 特にオンラインカジノ問題については、「社会問題と捉えてました。だから、うちが前例になった方がいいだろうと思った」と明かした。300万人を超すと見られる利用者のほとんどが10代後半から30代の若い世代という現実を踏まえ、「普通の処罰をして、働けなくなりましたとか、見捨ててしまうような」対応ではなく、社会復帰への道筋を示すことを重視したという。