サッカー日本代表はこのほど、パラグアイ、ブラジルと国際親善試合を実施。パラグアイには2-2の引き分けとなったが、ブラジルには3-2で逆転勝利を果たした。ブラジルとは14度目の対戦となり、勝利したのは今回が初めて。
元日本代表で、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、この2試合をどう見たのか。話を聞いた。
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「一部の選手は物足りなさを感じていると思う」パラグアイ戦は簡単に失点し、攻撃にも課題
――今回の親善試合は南米チームとの対戦になり、初戦はパラグアイで2-2のドローに終わりました。
城彰二(以下、城) 米国遠征でなかなか点が取れず、メキシコに0-0、アメリカに0-2で敗れた後の試合だけに、どうやって攻撃するのか注目していたけど、パラグアイの堅い守備にかなり手を焼いた。しかも簡単に失点したのも気になります。
守備は、前に行く守備に対しては強くなったけど、スペースや裏のケアについては、まだまだ隙があるかなと。攻撃も1点目はGKのミスだし、攻撃に行く・行かないの判断と相手を崩してゴールを奪うところに課題があったと思います。
――パラグアイ戦では、選手からも、もう少しゴールに向かう姿勢が必要だという声が聞こえてきました。
城 堂安(律)らは、たぶん個で仕掛ける部分だったり、連携で崩していく場面がもっと必要だと考えていると思うんです。森保一さんは基本、攻撃に関しては個々に任せていると思うけど、戦術的な縛りもけっこうあるので、どうメリハリをつけてやるのか、そこの判断が難しい。
いけると思った時は仕掛けるべきだし、トライしないといけないけど、戦術的なものがあるので、どうしてもセーフティになってしまう。そういうところに一部の選手は物足りなさを感じていると思います。
――確かにアメリカ遠征からパラグアイ戦まで攻撃が中途半端な感じが続きました。
城 個々のアイデアを活かすところと戦術的なところのバランスを取って攻撃するのが理想だけど、今の日本は両極端なんですよ。堂安とかは個のアクセントが欲しいと思っているので、そこに特化してプレーしている。
戦術も大事だけど、もっとDFからロングパスでシンプルに裏を狙うなど、臨機応変にプレーしたいんだと思う。そうしないと点が取れないということを彼らは欧州で経験しているので。
