サッカー日本代表は来年のワールドカップ(W杯)北中米大会の開催国、メキシコ・アメリカと強化試合を実施。メキシコにはスコアレスドローの引き分け、アメリカには0-2で敗戦した。
元日本代表で、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、この2試合をどう見たのか。話を聞いた。
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「ヒドかった」「森保さんは何をやりたいのか」アメリカ戦の試合内容に苦言
――今回の米国遠征は、メキシコにスコアレスドローの引き分け、アメリカに0-2での敗戦という結果に終わりました。
城彰二さん(以下、城) メキシコ戦は、主力メンバーで臨んで、やるべきことが整理されていたし、選手はすごく気持ちも入っていたと思います。試合の入りから守備がハマり、ボールを奪ってショートカウンターやカウンターという日本のお家芸とも言える攻撃で、メキシコを押し込むことができました。
後半、選手を代えたことで出力が少し落ちて、ゴールを奪うところまでには至らなかったけれど、0-0はポジティブなドロー。主力が出れば、メキシコのレベルであれば十分に戦えることは証明したと思います。
――アメリカ戦は、0-2とほぼ完敗の内容でした。
城 ヒドかったですね。メキシコ戦の時はプレスがしっかりかかって、相手がどこに出していいのか迷うぐらいの厳しさがあった。攻守のトランジションも早かった。
でも、アメリカ戦はボールホルダーに対して全然、プレッシャーに行けてなかった。相手に対しての距離が遠いので強度の高いプレスもかからない。攻守にバラバラで、後手後手の対応しかできなかった。
鎌田(大地)が入って来て、ボールを受けてパスを出して、という流れができたから少し良くなったけど、これはイコール、主力との差が浮き彫りになりました。正直、アメリカ戦は何も収穫がなかったという印象です。
――アジア最終予選のサウジアラビア戦でも6人を入れ替えて、決定機を欠いてスコアレスドローに終わりました。そういう経験があったなか、なぜ全選手を入れ替えるようなことをしたのでしょうか。
城 移動の疲労や選手のコンディションを考えたのかもしれないですけど、入れ替えた選手は経験が少ない、フレッシュな選手ばかり。遠藤(航)とか、チームを主導する選手がいないので、試合が動く展開で、どうすべきかという判断が、チームとしてというより個人頼みになってしまう。
今回は一緒にやったことがない選手がほとんどで最初からバラバラだった。アメリカ戦に関しては、森保一さん、何をやりたいのか、さっぱりわからなかったですね。
