数あるお酒の中で、焼酎は「二日酔いしない」とか「糖質がゼロに近い」、あるいは、「血栓症に効果があるらしい」などと健康的な側面が多く語られてきた。果たしてそれは本当なのだろうか。 日本酒造組合中央会の濱田由紀雄理事に聞いてみた。

なぜ本格焼酎は二日酔いになりにくいのか

「酒は百薬の長」とは、二千年前の中国『漢書』にある言葉。近年数々の医学的データが、このことを裏付けている。

 では、数ある酒の中でも、特に本格焼酎が健康にいいと言われるのはなぜか。

Yukio Hamada 1949年生まれ。1972年、東京農工大学卒業後、東京国税局間税部鑑定官室採用。職歴を経て2007年、東京国税局課税第二部鑑定官室長。2012年、日本酒造組合中央会理事に就任。

「本格焼酎が悪酔いや二日酔いになりにくいのは、多くの方の実感でしょう。蒸留酒一般に不純物が少ないことや、天然の原料から作り一切の添加物を使用しないので、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドが速く分解されるためではないか、と考えられます」

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 日本酒造組合中央会の濱田由紀雄理事は、そう語る。

「鹿児島大学などの研究グループは、夕食時にビール、清酒、焼酎、水をそれぞれ飲んで比較した結果、焼酎は、血中アルコール濃度、血糖値、インスリン濃度、それぞれの上昇が抑えられたという論文を発表しています」

 血中アルコール濃度が急上昇しなければ、酔い方がおだやかになり、さわやかな酔い覚めに繋がると考えられる。また、食後血糖値やインスリン濃度の上昇を抑えられるなら、糖尿病患者や予備軍にとって大きな朗報だ。