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正面から性に向き合う機会になった「オナニー国勢調査」

―― TENGAでお仕事されていて、難しいな、と感じる点はありますか?

工藤 メディアに取り上げていただくのが難しいです。広告も出せなかったり。

西野 ポップなプロモーションも行っているけれども、介護福祉と性、障害がある方にとっての性など、生活に根ざした取り組みもしているのに……。

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社内のディスプレイ

西野 そもそも、TENGAって、従来のアダルトグッズは見た目からして卑猥なものが多かったけど、「もっとスタイリッシュで、生活になじむ商品があってもいいんじゃないか」という代表の発想から生まれたものなんです。プロダクトデザインや内部設計をすべて自社の10人くらいの社員でやっていて、こだわっています。

―― 最近、変わってきているなと感じることはありますか?

工藤 福祉分野での取り組みに関して興味を持ってくださる記者さんが増えてきています。福祉、医療に特化したグループ会社の株式会社TENGAヘルスケアを2016年11月に設立したのですが、医療や福祉、教育という切り口だったら、TENGAをもっと取り上げていただける機会があるのかなと思いました。

商品の説明をする西野さん

西野 昨年、TENGAヘルスケアで「オナニー国勢調査」という調査をやりまして。日本人男性の2000人に、マスターベーションやセックスに関してのアンケートを実施したのですが、好意的に取り上げていただきました。

 女性器の中で射精できなくなってしまう膣内射精障害について啓発的に訴えたくて行ったものなのですが、「あ、俺、射精障害かもしれない」って気づいてくださった方がいたり、メディアの方たちがすごく真面目に取り上げてくださったりして、性について正面から向き合う機会が作れたと感じます。