異形のトンネル、信じられないほど狭い道、常軌を逸した急カーブ……。
日本各地には、思わず目を疑うような“仰天道路”が点在している。そんな中から、見た目のインパクトや走行のスリルが桁違いな「選りすぐりの道」を集めたのが、『日本の仰天道路』(実業之日本社)だ。
ここでは、その中から特にインパクトのある道を抜粋して紹介する。舞台は大阪府河南町・奈良県葛城市を通る「奈良県道・大阪府道704号」。実際に足を運び、現地を取材することで見えてきた、その驚くべき姿とは――。(全5回の4回目/続きを読む)
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日本には様々な種類の道路があるが、一般的な公道としては国道が最上位の道路となる。それに次ぐのが都道府県道で、全国で1万3000ほどの路線がある。必ずしも各都道府県内で完結している訳ではなく、県境を跨ぐケースも多い。その場合、原則として両県で同じ番号が割り振られる。
ここでは少々変わった都道府県道として、奈良県道・大阪府道704号竹内河南線をご紹介したい。
奈良県葛城市を起点に、終点の大阪府南河内郡河南町までを結ぶ路線なのだが、県境の平石峠の区間は未舗装となっている。
未舗装の大阪府道はいくつかあるが、平石峠の場合、自動車はおろか二輪車も通行できない未整備の状態だ。
そして嬉しいことに、一つだけではあるが、未整備区間の大阪府側に府道標識が設置されている。
山中の登山道にしか見えない道に立っている府道標識のインパクトは非常に大きい。ちなみに愛好家の間では、都道府県道標識が六角形であることから「ヘキサ」と呼ばれている。




