・糖尿病だと思って受診したら、インスリン注射が必要な「Ⅰ型糖尿病」だった

・「血圧が高い」と言われて受診したら、「原発性アルドステロン症」だった

・「コレステロール値が高い」ので受診したら、「家族性高コレステロール血症」(心筋梗塞や狭心症を発症する確率が10~20倍も高くなる)だった

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 もちろん健康診断で基準値を超えるような異常が出たからといって、二次検査で必ず異常が出るわけではありません。むしろそうでないケースの方が多いでしょう。

 しかし、本来であれば20代~30代は、一番、体が健康的であり、気力も体力も充実している時期であるはずです。

 健康診断の基準値は、中年以降の人も範囲内に入るように少し高めに設定されているものですが、にもかかわらず、20代~30代の若さで異常値が出るということは、それなりにきちんとした理由があるはずです。たとえ、異常の原因が病気ではなく、生活習慣の乱れだったとしても、体にとっては相当重い負担になっているサインであることは間違いありません。ただちに改善すべきです。

 20代~30代の場合は、注意すべき検査を限定せずに、全般的に見て、もし「異常」な項目があれば、放置せずに、一度はきちんと病院で調べるのが良いでしょう。

40代~50代は健康診断が効果を発揮

 みなさんが、健康診断の必要性を感じ始めるのが、40代~50代でしょう。このことには私も賛成で、健康診断が最も効果を発揮する年代です。

 40代~50代を一言でいうと「生活習慣病などの『未病』が進行し始める時期」です。そのため、40代~50代の健康診断で注意すべき検査も、「未病を見つける」ことに主眼をおいた項目になってきます。

※写真はイメージです ©Anmitsu_hime01/イメージマート

 未病とは、まだ病気ではないが、今後、病気になりやすい「サイン」のこと。心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気に発展してしまうのか、それとも未病のまま留まれるのかは、40代~50代のうちに、いかに対策するかで決まるといっても過言ではありません。