生活習慣病としてよく知られる「高血圧」「脂質異常症」「高尿酸血症」「糖尿病」も、未病の代表として挙げられます。そして、これらの発症率が急激に上昇するのが40代~50代です。
令和元年(2019)の「国民健康・栄養調査」によると、高血圧の発症率は、20代では3.7%、30代では4.3%に留まるのに対して、40代では16.9%、50代では26.6%と一気に上昇するのです。
HbA1cの数値が6.5%以上であれば、糖尿病が強く疑われますが、その割合は30代では1.2%のところ、40代では3倍の3.3%まで膨れ上がり、50代では、さらにその倍以上の7.5%にまで急上昇します。
コレステロールについては、男女間で大きく差が出ており、男性の場合、LDLコレステロールの数値が140(mg/dL)以上になる割合が、20代では5.4%であるのに対して、30代では28.2%に上昇し、さらに40代では43.1%にまで達します。女性の場合も、30代では15.6%であるのに対し、50代になると39.9%にまで上昇します。
40~50代で注目すべき項目は…
「人生100年時代」と言われながらも、その折り返し地点である40代~50代が病気のリスクを抱えやすい時期に当たるのです。
この年代で、自分の生活習慣や健康とどのように向き合うか。その向き合い方で人生の後半戦が劇的に変わってきます。
ですから、40代~50代の方々が、健康診断で注意すべき項目は、当然、先に挙げた「高血圧」「脂質異常症」「高尿酸血症」「糖尿病」などに関わる数値になります。
第1章で自分の健康状態をピラミッド状にして考えることの重要性について述べましたが、40代~50代で注意すべき検査項目はいずれも、このピラミッドの第1段階と一致することに気づかれた方もいると思います。
健康診断を受けて、40代~50代でこの第1段階に並ぶ項目にきちんと対処することが、続く第2、第3、第4段階にまで病気を悪化させないための最大の予防策であることは、改めて強調しておきたいと思います。
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この続きは『健康診断でここまでわかる』(文春新書)に収録されています。
