現在30代前半の彼女は、その後に予定通り長女を出産。専業主婦希望はすっかり忘れ、今も時短ながら仕事に邁進しているといいます。また彼も娘をかわいがり、娘の未来を考えて今は旅行も極力控えて貯金をがんばり、行く時にも予算を決めたそうです。

「今にして思えば、あの頃は本当にどうかしてました。そもそも仕事だってそんなにイヤだったわけでもないですし、専業主婦になれないだけでハイスぺ旦那と離婚なんて……。あれは若気の至りと思って、これから気を付けたいと思います」

婚活FPとして彩乃さんには「趣味は本人にとって癒やしになるので完全に止めさせるのではなく、まずは予算や頻度を落とすことを心がけましょう。そのうえで、将来的には予算や頻度を上げられるよう彩乃さんも仕事にはげみ、協力する姿勢を見せると旦那様も納得しやすいでしょう」とアドバイスしました。

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感情的に動かなくて正解でしたね。どうぞ末長く、お幸せに。

年収1000万円でも「貯金なし」は約半分

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、平均貯金額は年収が上がるほどに増える傾向にある一方、年収1000万~1200万円(単身)の方の45.5%が貯金ナシという結果となっています。つまり、拓也さんのような方は決して珍しい存在ではありません。

また年収が高いほどに生活水準も高いことが一般的であり、一度上がった生活水準は簡単には下がらないのが基本です。つまり、年収さえ高ければ節約は簡単というわけでもなく、また、専業主婦になれるものでもないといえます。

そもそも年収1000万円とは、決して使いきれないような大金ではありません。年収1000万円の手取り額はおよそ700万円少々、賞与が年2回で1回2カ月分とすれば、700万円÷16カ月で月収は44万円程度です。夫婦2人の生活費が25万円なら差し引き19万円であり、今後は家族増に伴う家賃増や住居購入、保険加入も考えられます。