これで家賃は月10万円、生活費が15万円ほどなら10万円は毎月貯金できることになります。そして足りない時は各自が補塡(ほてん)しようと話したところ、「俺、あんまり貯金できないんだよね。今も200万円くらいしか……」とのことでした。

離婚を考えるほど結婚を後悔

理由を聞くと、なんと彼は毎月のように一人で温泉旅行をし、その際には数万円する食事をすることも多かったのです。一回の旅費が20万円程度になることもあり、ろくに貯金を意識してこなかったといいます。

もともと旅行と食べ歩きが趣味とは聞いていたものの、普段の様子から貯金できないほど使い込んでいる様子もなかったこともあり、内容が彼女の想像とは大違いでした。また、さすがに結婚前には貯金額を聞けなかった点も、大いに失敗したと感じたそうです。

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その分、日頃は節約生活で大丈夫だし、子供が生まれたら必要なだけ減らすとも言うものの、これは明らかに共働きを想定した物言いです。いくら年収1000万円でも、ろくに貯金できないほど趣味にお金を使うなら、とても安心して専業主婦になどなれません。彼女は心底、愕然としたといいます。

恐る恐る「もし私が働けなくなったらどうするの?」と聞いたところ、「それは俺が働けなくなっても同じでしょ? 立場は同じだし、お互いがんばろうね」とのこと。その正論に、彼女はうなずくことしかできなかったとのことでした。彩乃さんは当初、さっそく離婚を考えるほど拓也さんとの結婚を後悔したといいます。それほど一度、専業主婦を考えてからは仕事がイヤに感じていたのです。しかし結婚直後の自己都合の離婚は体裁が悪いとも感じ、しばらくは結婚生活を続けることにしました。

FPがした“まっとうなアドバイス”

そうして結婚生活を続ける中、幸いにも彼女は落ち着きを取り戻します。そもそも婚活で散々苦戦したわけですから、仮に離婚しても専業主婦としての再婚が簡単ではないのは明らかです。それに生活も一人暮らし時代より断然ラク。何より穏やかな彼との毎日は楽しく、二人で行くようになった旅行も本当に楽しかったといいます。