赤いスイートピーを「歌えません」と拒んだ理由

 これまで明菜が聖子の曲をカヴァーしたのは、02年のカヴァーアルバム「ZERO album〜歌姫2」に収録の「瑠璃色の地球」だけ。このアルバムのスーパーバイザーで同曲の作曲者でもある川原伸司氏が語る。

「最初は『野ばらのエチュード』を歌おうとしていたんだけど、歌詞に〈20才のエチュード〉というのがあって、既に30代だったから、僕がじゃあ『赤いスイートピー』はどう?と言ったかな。彼女は『そんな有名な曲、私が歌っちゃいけないと思います』と言っていた。憧れている先輩の代表曲を歌うなんておこがましいと。

 それで、『松田聖子ファンとして“瑠璃色の地球”を歌いたい』って。当時はシングルカットもされてないマニアックな楽曲だった。僕が作った曲だから好きにやればって感じであえてレコーディングには立ち会わなかったんですよ。全然別の次元の歌になっていて、すごく面白かったけどね」

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11月発売のトリビュートアルバム

「最近のセルフプロデュースはうまくいってない」

 年末はディナーショーが予定されているが、一方で紅白出場の可能性も取り沙汰されている。

「最近のセルフプロデュースはうまくいってないと思う。大人になったからジャジーに歌う、なんて誰でも考えそうなことだもん。

 彼女がよく言っていた『心地よい裏切り』を演出できるなら、出るべきだと思う。でも、ただ昔の歌を歌って『お互い年を取ったね』みたいな感じで出てくるだけなら、やめたほうがいい」(同前)

 明菜のDESIREはどこに向かうのか。

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