杉田水脈 自民党・衆院議員
「同性愛の子どもは普通に正常に恋愛ができる子どもに比べて自殺率が6倍高いんだと。それでもあなたは必要ないと言うんですか? と言われまして。私はそれでも優先順位は低いと」
日本文化チャンネル桜「日いづる国より」2015年6月5日
杉田氏はここでもLGBTの人たちに税金を使って支援することに対して否定的な意見を語っていた。何より、カメラの前で「自殺率が6倍高い」と半笑いで語ることができる神経が信じられない。
杉田氏の近著『民主主義の敵』(小川榮太郎氏との共著)のキャッチコピーは「少数意見の偏重で国民は幸せになれるのか?」だが、この書名にならえば杉田氏は「マイノリティの敵」だ。
対応に苦慮する自民のオジサンたち
二階俊博 自民党・幹事長
「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」
朝日新聞デジタル 7月24日
杉田氏は7月22日、ツイッターに「自民党に入って良かったなぁと思うこと。『ネットで叩かれてるけど、大丈夫?』とか『間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ』とか『杉田さんはそのままでいいからね』とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること」と記していた(現在は削除)。
はたして、どんな大臣クラスの自民党の議員が杉田氏の発言を擁護しているのかと思いきや、「オモテに出てはいけないおじさん」(プチ鹿島氏)こと二階俊博幹事長だった。二階氏は杉田氏の一連の発言を容認しているが、自民党は差別的な言動も「政治的立場」として容認する政党だということだろうか?
二階氏は同じ記者会見で「当事者が社会、職場、学校の場でつらい思いや不利益を被ることがないよう、多様性を受け入れていく社会の実現を図ることが大事だ」とも語っているが、これは杉田氏の主張とは真逆である。杉田氏は『新潮45』への寄稿で「自分が認識した性に合ったトイレを使用することがいいことになるのでしょうか」と公共の場におけるLGBTの人々への配慮を否定しており、「多様性を受け入れていく社会の実現」に真っ向から反対している。
菅義偉 官房長官
「国会議員の一つひとつ(の発言)に、政府の立場でコメントすることは控えたい」
朝日新聞デジタル 7月24日
24日の記者会見で杉田氏の発言について質問された菅官房長官だが、コメントを避けた。なお、昨年4月に今村雅弘復興相(当時)が失言で辞任に追い込まれた際は「極めて不適切」とコメントしている。杉田氏の発言は「不適切ではない」というのが政府の見解なのだろうか。